【看護目標の立て方と書き方】具体例付きでわかりやすく解説

看護師の方で、個人目標の立て方や書き方で悩んでいる方も多いのではないでしょう？

目標管理シートは多くの病院で取り入れられています。個人目標を自分で立て、看護のスキルアップに繋げていくためのものですが、目標の立て方や書き方がわからないため、悩んでしまう看護師の方も少なくありません。

今回では、看護師の個人目標の立て方と目標管理シートの書き方を具体例を交えて解説していきます。

看護師の個人目標とは

看護師の個人目標とは、自分がなりたい看護師を設定し、今の自分に合わせた目標を立てたものです。

少し先の自分をイメージしながら病院で作られた目標をもとに、ここまでのスキルをこの時までに達成するといった個人での目標を立てます。

目標管理シートを活用する目的

看護師が目標管理シートを活用する目的にはどのような意味があるのでしょうか？

目標管理シートは、個人目標を設定した看護師だけでなく、指導にあたる看護師にとってもメリットがあります。ここでは、目標管理シートの活用目的を解説していきます。

目標管理シートを作成することで個人の達成目標が理解できる

目標管理シートは自分で立てた目標達成に向けて行動します。個人目標を立てるときに、今の自分の出来ること、出来ないことを把握し、近い将来に向けて、スキルアップする自分を想像しやすくなり、そこに向けて行動する力が身につきます。

今の自分がどのような目標に向かって頑張ればいいのかを理解することが出来ます。

指導やアドバイスが適切に行える

個人目標は、先輩看護師などのアドバイスを受けながら立てて行きますが、目標設定の立て方や達成するための具体的なアドバイスを適切に助言してもらえます。目標管理シートを確認しながら、自分が行う業務内容や、するべきことを整理し、今の自分に合わせた目標を把握し、行動できます。

指導に当たる先輩看護師は、個人目標を確認することでより適切で的確な指導やアドバイスを行うことが出来ます。

個人目標を達成することでモチベーションが上がる

目標管理シートを活用することで、今は何をするべきなのかを把握することができ、今とるべき行動が明確になります。個人目標を達成することでモチベーションが上がり、やりがいにも繋がります。

目標管理シートは目に見える形で自己成長を実感できるため、業務の質の向上も期待できます。

個人目標の立て方のポイント

個人目標を立てる時のポイントは、働いている病院の理念や看護部の理念、目標を念頭に入れながら設定することです。新人看護師の方は「新人看護職員研修ガイドライン」を目を通しておくと、個人目標の設定の参考になります。

出展：厚生労働省「新人看護職員研修ガイドライン」　

個人目標を立てる時は具体的な内容にする

個人目標を立てるポイントは、誰が見てもわかりやすく、具体的に内容が記載されていることです。「いつまでに」「何を出来るようになる」という風に、達成したい業務と時期を明確にすることです。

例）

• 10月までに、完全側臥位の患者さんへの食事介助が行えるよう努めます。
• 指導を受けながら、5月までに全身清拭を30分以内に行えるよう努めます。
• 指導のもと、12月までに静脈注射と点滴静脈注射を行えるよう努めます。

期間内に達成できるよう目標を立てる

看護師の個人目標の設定は、1年間を目安にしているところが多くあります。病院によっては、数カ月単位での短期目標と1年間での長期目標の2種類を立てる場合もあります。

短期間での目標設定では、数カ月単位で達成し、スキルを徐々に上げていくような目標を設定します。1年間での目標を立てる時には、1年間で実現できる目標を立てます。

目標を立てる時には、目標達成の基準が高すぎても低すぎてもいけません。高すぎる目標では途中で挫折してしまい、自信喪失の原因になってしまいますし、低すぎる目標では、すぐに達成してしまい、何のための個人目標かわからなくなってしまいます。個人目標は個々に合っ経験やスキルを考慮し立ててください。

例）

• 短期目標①
  • 研修で、感染予防対策について学び、基本的な感染防止技術を繰り返し練習し、確実に身につけます。
• 短期目標②
  • 褥瘡洗浄の正しい手順を確実に理解し、実践します。
• 長期目標
  • ガイドラインや手順に沿って、基本的な看護スキルを用いて援助を行える。

組織目標と個人目標に関連性を持たせる

目標管理シートの目的の1つに、個人と組織の方向性を合わせることで業務の質を上げていくというものがあります。
個人の目標と組織の目標の方向性を合わせることで、業務に対する質の向上、組織、個人の成長を目的としています。組織目標に「安全な医療提供」がある場合、この目標を達成するために自分が行えることを個人目標に取り入れます。

例）

• 安全な医療提供を行うため、人工呼吸器の保守点検（日常・定期点検）を確実に実施します。

看護師の個人目標具体例

看護師の方の個人目標の具体的な書き方とはどのように書けばいいのでしょうか？

ここでは、新人看護師、3年目・4年目の看護師、中堅看護師の方の場合に分けてお伝えします。

新人看護師の個人目標

新人看護師の場合、看護師としての基礎と接遇マナーをしっかりと身につける必要があります。それらを達成した後に、業務に関してのスキルを上げていきます。

例）

• 6月までに、看護の基礎を毎日復習し、完全に身につくように努めます。
• 8月までに日常ケアなどの基本的なケアを覚え、1人で行えるように努めます。
• 転倒、転落防止研修に参加し、アセスメントシートを作成し、現場で実施します。
• ナースコールがなったらすぐに取れるように努めます。

3年目、4年目の看護師の個人目標

3年目、4年目の中堅看護師の場合、リーダーとしてスキルアップしていく方もおられます。リーダー看護師になった場合は、新人看護の方の個人目標の相談人も盛る立場になります。それらを踏まえた個人目標を立てるものいいでしょう。

例）

• チーム全体の業務を把握し、優先順位を付けながら、人員配置を適切に行います。
• 研修で学んだ知識を、業務に活かし、後輩看護師の指導にも活かします。
• 〇〇についての専門知識を身につけるため、〇月に研修を受け、資格を取得します。

中堅看護師の個人目標

5年目、6年目になると、中堅看護師になります。通常業務に加え、より高い技術や知識を求められるようになります。

例）

• 他の職種や看護師と連携し、業務の調整を行います。
• 新人看護師の指導担当として、技術や知識を深め、実践し、適切な指導をします。
• 担当患者さんのカンファレンスを〇月までに〇回以上実施します。

看護師の個人目標と目標管理シートの重要性

看護師の仕事をしながら、個人目標をたて、目標管理シートを作るのは大変な労力がかかります。ですが、個人目標を立てることで、自分の看護師としてのスキルアップや看護部全体の業務の質を上げることに繋がっていく大切な物です。

目標管理シートを活用し、目標を達成していくことで、モチベーションも上がり、やりがいにも繋がります。目標を立てる時にはポイントを押さえ、わかりやすく書くことが重要です。

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