訪問介護の買い物同行|ヘルパーができる範囲や介護保険の単位・時間

介護保険における買い物同行の範囲について、ご不明な点が多いのではないでしょうか。訪問介護での買い物同行には、購入可能なものとそうでないものがあります。そのため、介護保険の範囲を理解しておくことが重要です。

今回では、買い物同行に関する保険適応範囲や注意点、さらには単位数や時間の計算方法などを詳しく解説いたします。

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訪問介護の買い物同行とは

訪問介護の介護保険サービスに、買い物同行があります。買い物同行は、ヘルパーと一緒に買い物をすることで、利用者の日常生活を支えるサービスです。

ここでは、買い物同行の特徴や買い物代行との違いを解説します。

買い物同行は訪問介護の身体介護サービスのひとつ

訪問介護の買い物同行は、高齢者の生活に必要な買い物の見守り的援助を行う身体介護のサービスです。

見守り的援助とは、利用者の自立や重度化防止を目的に、ヘルパーが安全を確保しながら常に介助できる状態で利用者の行為を見守る支援のことです。 

買い物同行では、自立支援のために訪問介護員が移動の介助をしながら利用者と一緒に店に行き、本人が品物を選んで買い物できるよう援助します。 

同じく訪問介護で行う買い物のサービスに、買い物代行があります。買い物代行は、利用者の生活に必要な食品や日用品をヘルパーが単独で店に行って購入する内容で、訪問介護の生活援助サービスの一つです。 

参照:厚生労働省|老振発0330第2号「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の一部改正について 

同居の家族がいても利用できる

買い物同行は、同居の家族がいても利用できるサービスです。生活援助の買い物代行の場合、基本的には同居家族がいると利用できません。同居の家族がいても利用できるのが、買い物代行と異なる点です。 

ただし、直接本人が使用しないものや日常生活の範囲を超えるものなどの購入は、買い物代行と同様に介護保険適応外となるため注意してください。 

ケアプランへの位置づけが必要

買い物同行を利用するためには、ケアプランにサービスが位置付けられている必要があります。また、ケアプランには利用者の状態に応じた目標を設定します。具体的な目標の例は以下の通りです。 

  • 一人で買い物ができるようになる
  • ヘルパーの介助を受け安心して買い物が出来る
  • ヘルパーの支援を受け本人が品物を選べる

など 

買い物同行やプランの内容が介護保険の対象になるかは地域によって異なるため、市町村に確認してください。 

介護保険の買い物同行の範囲

買い物同行には、介護保険で購入できるものと購入できないものがあります。それぞれの内容や範囲について見ていきましょう。

買い物同行でできること・買えるもの

買い物同行の範囲は、買い物代行と同じと考えます。介護保険サービスで購入できるものは以下のとおりです。 

  • 利用者の日常生活に必要な食品の買い物
  • 利用者の日常生活に必要な日用品の買い物

買い物同行では、利用者が日常生活を送るうえで必要不可欠な食品や日用品などを購入できます。 

買い物同行でできないこと・買えないもの

買い物同行で購入できないものやできないことは以下の通りです。 

  • 利用者本人以外のための買い物
  • なくても生活に支障がないものの購入
  • 贈答品の購入
  • 近隣以外の店やデパートなど遠くの店での買い物
  • 酒やたばこなどの嗜好品の買い物

買い物同行で買えないものやできないことは、基本的に買い物代行と同じです。買い物代行の内容や範囲を確認して把握しましょう。 

参照:厚生労働省|老振発0330第2号「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の一部改正について 
参照:厚生労働省|(別紙2).指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について. (平成12年11月16日壱第76号))

買い物同行の注意点

訪問介護の買い物同行を行うときには、注意したいことがあります。

ここでは、買い物同行時に利用者から希望されるケースの多い2つの注意点を解説します。

酒やたばこなどの嗜好品は購入できない

買い物同行であっても、日常生活に必要とはいえない品物の買い物はできません。

酒やたばこなど、健康を害する恐れのあるものを購入することもできないため注意しましょう。

ヘルパーが車を運転することはできない

身体介護の買い物同行では、ヘルパーが自家用車を運転して移動することはできません。車で移動する際は、タクシーなどを利用してください。その際のタクシー料金は、利用者が負担して支払います。 

ただし、訪問介護の通院等乗降介助を利用する場合はヘルパーの運転する車で移動が可能です。 

通院等乗降介助を行うには、指定訪問介護事業を行う法人が道路運送法で定められた要件を満たし、自治体に届出を行ったうえで、ケアプランに位置付けられている必要があります。道路運送法で定められている要件には、一般乗用旅客自動車運送(介護タクシー)の許可を受け、運転者は二種免許を保持しているなどがあります。 

なお、通院等乗降介助を利用する場合、算定は身体介護中心型ではなく通院等乗降介助の単位が適用される点に注意してください。通院等乗降介助の基本単位数は、1回につき99単位です。 

e-Govポータル|道路運送法 

買い物同行の介護保険の算定

買い物同行は介護保険の身体介護のサービスです。そのため、算定はサービス提供時間に応じた身体介護の単位数を用いて計算します。買い物同行の単位数と時間の目安を紹介します。

買い物同行の単位数

買い物同行(身体介護)の基本単位数は以下の通りです。

  • 20分未満の場合:167単位
  • 20分以上30分未満の場合:250単位
  • 30分以上1時間未満の場合:396単位
  • 1時間以上の場合:579単位に30分を増すごとに+84単位

参照:厚生労働省|介護報酬の算定構造

買い物同行の時間

買い物同行の所要時間は、利用者の状態や移動手段、移動にかかる時間などによって個別に設定します。

介護保険では、基本的に利用者の生活圏内にある近隣店での買い物となるため、30~60分程度が一般的でしょう。

買い物同行は介護保険の範囲に注意して利用者の自立を支援しよう

訪問介護の買い物同行は、一人で買い物をすることが困難な高齢者に対し、ヘルパーと一緒に買い物をすることで利用者の日常生活を支援する、身体介護の見守り的援助です。買い物同行を行うには、ケアプランに適切な目標を位置付ける必要があります。

また、生活援助の買い物代行と同様に、購入できないものや注意事項があるため、サービスを提供する際は介護保険の範囲に注意して行いましょう。

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この記事を書いた人

Iharaのアバター Ihara 運営者

15社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計の経験を持つマーケティングアナリスト。大学在籍時に中小企業診断士一次試験突破。ASO・SEOを中心に活動しており、アプリ・インフルエンサーマーケティングにも精通がある。
介護・看護職のための単発バイトメディア「カイテク・メディア」の編集長。
介護・看護職のよりどころ「ケアマガジン」の運営者。

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