【看護助手をやめたほうがいい理由】キャリアアップ法や魅力についても解説

無資格でも看護業界に携わることができるのが看護助手です。しかし、一部の方からは「看護助手はやめたほうがいい」との声も聞かれます。看護師の業務をサポートし、患者の入院生活を支える看護助手は、医療サービスを提供する病院において重要な役割を果たしています。

今回では、「看護助手がやめたほうがいい」と言われる理由について解説します。

さらに、キャリアアップの方法や看護助手の魅力についてもご紹介いたします。看護助手を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

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看護助手とは?

看護助手とは、看護補助者とも呼ばれ、看護チームの一員として、看護師などの指示の下、専門的判断を要しない看護補助業務をおこなう方とされています。大まかな業務は、患者のお世話や看護師の業務補助、環境整備などをおこないます。

看護師との違いは、資格の有無や医療行為をおこなえるか否かになり、資格がなくても働くことが可能です。

看護師になるためには、大学または3年以上の教育を受けて、看護師国家試験に合格する必要があるため、未経験でも就業可能な看護助手は看護業界で働きたい方にとって敷居が低く始めやすいといえます。

参考:看護助手 – 職業詳細 

看護助手がやめたほうがいいといわれる理由

無資格や未経験でも看護業界ではたらくことが可能な看護助手ですが、多くの方からやめたほうがいいといわれています。

ここでは、看護助手がめたほうがいいとされる理由についてご紹介します。

人手不足で業務がきつい

看護職員就業者数の推移によると、看護職員就業者数は増加を続けており、令和2年には173.4万人となったとされています。

一見すると看護職員が増えているため、人手不足ではないのではと思われるかもしれませんが、日本は少子高齢化が進んでおり、医療を必要とされる方は増加しております。

厚生労働省が公表している調査によると、2025年における看護職員の供給推計は約175万~182万人です。一方で看護職員の需要推計は、労働環境の変化に応じて差は出るものの、約188万~202万人と推計されています。

2025年には看護師不足が約6万~27万人に達する計算になるため、働く環境によっては人手不足が深刻な場合もあるでしょう。

参考:看護師等(看護職員)の確保を巡る状況 – 厚生労働省
参考:厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会-看護職員需給分科会-中間とりまとめ(案)」

重労働で体力が必要

看護助手の業務内容は以下になります。

  • 生活環境にかかわる業務:ベッド周りの清掃、病室環境の整備、シーツ交換、リネン類の管理
  • 日常生活にかかわる業務:食事の配膳、下膳、入浴介助、トイレ介助、オムツ交換、着替え介助、車いすの操作など
  • 診療にかかわる周辺業務:診察に使う物品の準備や片付け、医療材料の補充など

患者の生活サポートを中心に看護師の補助業務などをおこないます。入浴介助やおむつ交換などで患者の体重を支えることも多く、体力が必要な業務が多いようです。

参考:全国の医療機関で看護補助者を募集しています

人間関係が大変

近年、男性看護師が増えたことで職場の雰囲気にも変化が起きている看護現場ですが、いまだ女性の方が多い職場でマイナスのイメージがある方もいらっしゃるでしょう。看護師も含まれますが、退職理由の多くは人間関係が原因にあるようです。「看護師の態度がきつい」「雑用ばかり押しつけられる」など不満の声もお聞きします。

看護助手の方で人間関係に悩む方は多く、ストレスを抱えてしまった結果、仕事を続けることに自信をなくすことも少なくないようです。

参考:資料 図表 看護補助者調査

看護助手の離職理由とは?

上記で看護助手がやめた方がいいとされる理由について解説しましたが、看護助手の退職理由の多くに看護師の対応がきつい、体への負担が大きいなどの理由を挙げる方が多い傾向のようです。

高い傾向の離職率について

日本看護協会の「2020 年 病院看護実態調査報告書」の「3.看護補助者の採用と離職の状況」によると、年度内離職率は正規雇用が25.6%、非正規雇用が32.9%、正規・非正規を合計した離職率は9.9%と高いようです。

看護助手の高い水準の離職率は上記にあげた「やめたほうがいいと言われる理由」が関係していると思われます。

参考:2020 年 病院看護実態調査 報告書

看護助手の気になる収入

資格を必要とせず、未経験でもはたらくことができる看護助手は、看護師に比べると収入は低い傾向になります。ここでは、看護助手の年収を看護師と比較して解説します。

看護助手と看護師の収入比較

令和4年賃金構造基本統計調査によると、2022年度における看護助手の平均年収は約309万円になります。一方の看護師の平均年収は508.1万円にもなるため、同じ看護職でも大きな差があるようです。これには、資格の有無が大きく関係しており、3年以上の教育を受けて国家試験に合格した看護師はおこなえる業務も幅広く、収入が高くなります。

看護助手の方で収入アップを目指す場合は、資格取得を検討されてみるとよいでしょう。

参考:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況

看護助手あるある

ここでは、看護助手の体験談を交えて、看護助手のあるあるをご紹介します。

  • Aさん:業界未経験で入職したが、看護師の指示が分からず困っている。
  • Bさん:患者さんの汚物処理に戸惑うことがあった。
  • Cさん:患者さんからのありがとうの言葉にやりがいを感じた。

看護助手として働いているとさまざまな悩みを抱えることもありますが、患者さんからの感謝の言葉などでやりがいも感じられるようです。

看護助手はデメリットばかりではないため、看護助手で得られる喜びについても目を向けてみるとよいでしょう。

看護助手の魅力とは?

一部の方から、やめたほうがいいといわれる看護助手ですが、デメリットばかりではなく、働くメリットももちろん存在します。看護助手の魅力には医療に貢献している充足感が実感できることや患者からの感謝の言葉など患者の治療を通じて喜びを感じることではないでしょうか。

患者さんと接する機会が多く、コミュニケーションに自信がある方は看護助手に向いています。

求人が豊富

看護助手は看護師や准看護師などの資格をもたなくても働くことができます。

求人数も比較的多いため、医療現場での経験を積みたい方や看護師資格取得を目指して勉強される方にとって挑戦しやすい仕事であるといえます。

自宅での介護に活かせる

公益財団法人「生命保険文化センター」が2021年12月に発表した「生命保険に関する全国実態調査」によると、「自分の家」と「親や家族の家」を合わせた在宅介護の割合は56.8%、「公的な介護老人福祉施設や介護老人保健施設など」「民間の有料老人ホームや介護サービス付き住宅など」「病院」を合わせた施設介護の割合は41.7%となっています。施設などへの入所には多額の費用がかかり、ためらう方もいるでしょう。

在宅での介護を選択される方にとって医療現場で培った経験や知識をご自分の家族を介護ケアする際に活かすことができるのも魅力のひとつではないでしょうか。

参考:生命保険に関する 全国実態調査

看護助手のキャリアアップ法3選

看護助手からキャリアアップを目指す場合、どのような方法が効果的になるのでしょう。ここではおすすめのキャリアアップ法を3つご紹介します。

看護師資格を目指す

上記の収入比較でもお伝えしたように看護師資格を取得すると収入アップが期待できるでしょう。看護師資格取得には3年以上の養成施設での教育を受けることが必要ですが、資金面での不安をお持ちの方もいるでしょう。そこでおすすめなのが、看護奨学金などの看護学生だけが利用できる特別な奨学金です。卒業後にその病院で働くことが条件になりますが返済が免除になり、 他の奨学金と併用することもできます。

働きながら資格取得を目指す方にとって資金面でのサポートは心強い味方になり、資格取得を後押ししてくれます。

参考:看護職になるには | 看護職を目指す皆さまへ 

介護福祉士資格を目指す

介護の分野にも精通している看護助手であれば、介護業界の国家資格である介護福祉士の資格取得を目指すことも可能です。介護福祉士国家試験を受験するためには、「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」の4つのルートが存在します。

いずれかのルートを選択し、資格要件を満たして、介護福祉士国家試験を受験し合格することで介護のスペシャリストである介護福祉士になることができます。

参考:介護福祉士資格の取得方法について

経験を活かし別の職種へキャリアチェンジ

看護助手として働いた経験を活かして、まったく違う職種へのキャリアチェンジを図る方もいます。
実際にあった事例では、看護助手からエンジニアに転職された方もいるため、工夫次第では未経験の職種でも就業できる可能性はあります。
ご自身のキャリアの棚卸しをおこない、中長期的な目標を考えたうえで明確な志望動機を用意しましょう。

看護師などの資格取得から待遇改善へつなげよう!

看護助手がやめたほうがいいと言われる理由には重労働で収入も低いことが要因にあることを説明しました。しかし、看護師や社会福祉士などの資格取得を目指せば収入や待遇改善も期待できるため、デメリットばかりではありません。資格取得への道は大変ですが、看護助手として現場経験を積みながら、キャリアアップに挑戦してみましょう。

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この記事を書いた人

Iharaのアバター Ihara 運営者

15社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計の経験を持つマーケティングアナリスト。大学在籍時に中小企業診断士一次試験突破。ASO・SEOを中心に活動しており、アプリ・インフルエンサーマーケティングにも精通がある。
介護・看護職のための単発バイトメディア「カイテク・メディア」の編集長。
介護・看護職のよりどころ「ケアマガジン」の運営者。

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