【2025年問題によって看護師は余るのか?】医療業界の未来を解説

日本では、出生率の低下と平均寿命の向上により、少子高齢化が進行しています。これにより労働人口の減少が引き起こされ、社会保険料の負担増加などの問題が懸念されています。医療業界でも、深刻な人手不足が問題となっていますが、「2025年問題によって看護師が余る」という意見も存在します。ご存じでしょうか?

今回では、2025年問題に焦点を当て、看護師に対する影響や政府の今後の方針について詳しく解説いたします。

ぜひ参考にしてください。

目次

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2025年問題とは?

2025年問題とは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、出生率の低下や労働人口の減少により、超高齢化社会になることで引き起こされる問題を指します。75歳以上の後期高齢者の人口に占める割合は18%を超えると予想されており、社会保険費の負担増加や働き手不足、介護者の増加などの問題が生じると懸念されています。

後期高齢者の増加によって、医療費も増えるため、医療業界にも多大なる影響を与えるといわれており、今後の施策や動向が注目されています。

参考:我が国の人口について
参考:全世代型社会保障構築会議の状況報告

2025年問題:看護師が余るといわれる理由

看護業界の人手不足は深刻な状況が続いておりますが、2025年問題によって看護師が余るといわれていることをご存じでしょうか。ここでは、なぜ看護師が余るといわれるのか理由を詳しく解説します。

医療コンサルティング会社の試算

2025年問題で看護師が余るといわれる理由には医療コンサルティング会社:グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンが行ったシミュレーションによる試算結果が関係しています。

主な事業は、病院経営データや、診療行為・臨床データなどのベンチマーク分析を基に、医療の現場から、「医療の質の向上」と「病院経営カイゼン」を目指し、経営の効率化を図っている企業です。

参考:グローバルヘルスコンサルティング

平成26年度診療報酬改定に基づくもの

根拠は同年4月に発表された厚生労働省の「平成26年度診療報酬改定」になるようです。診療報酬改定とは、医療保険から医療機関へ支払われる報酬を見直して改定することです。

診療では原則2年に1回、薬剤費は毎年改定されるため、医療機関での運営において、非常に重要な制度改定となっています。

参考:平成26年度診療報酬改定の概要

急性期病床の削減

「平成26年度診療報酬改定」において、高度急性期病棟を約35万7,500床から18万床に減らす方針が打ち出されました。つまり、「看護師が余る」とされた理由は、高度な医療を提供する病棟で働く看護師を指しています。

これまでの診療報酬では、急性期病床における「7対1病床」が診療報酬が高く、設置する病院が多かったため、厚生労働省は病床数の削減を方針として定めたようです。

改定された方針を実行することで、看護師は将来的に約14万人余る事態となると試算し、すべての看護師が当てはまるわけではないことには注意が必要でしょう。

2025年問題:看護師への影響

医療コンサルティング会社が試算した「看護師が余る」根拠をお伝えしましたが、2025年には超高齢化社会を迎え、日本の人口の5人に1人が75歳以上の後期高齢者になるようです。医療を必要とする方も増加する見込みで、看護師においても大きな影響を及ぼすと予想されます。ここでは、看護師への影響について詳しく解説します。

看護師需要はますます増加の見込み

2025年には約196~206万人の看護師等が必要と推計されており、今後、順調に増えていったとしても、最大で約13万人の看護師等が不足すると試算されています。

看護師需要はますます増加し、病院だけでなく在宅医療へシフトされる昨今、訪問看護やデイケアなどの介護現場でも看護師は必要とされるでしょう。

参考:広報誌「厚生労働」 案内
参考:令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保

潜在看護師の再就職促進

ナースセンターとハローワークの連携により、看護師等への就業を希望する者と地域の医療機関等とのマッチングの強化を実施しています。

復職支援の強化により、今後不足する看護師需要に対応したい狙いがあるようです。

参考:ナースセンターによる看護職員の復職支援の強化

2025年問題:厚生労働省の対策

看護師需要は増えるなか、働く人材が約13万人も不足すると試算されています。しかし、政府も手をこまねいているわけではなく、2025年問題を見据えて対策に乗り出しているようです。ここでは、厚生労働省の施策について紹介します。

在宅医療推進の取り組み

厚生労働省では、在宅医療の推進に向けた取り組みをおこなっているようです。在宅医療が推進される背景には、2つの理由があります。

  1. 「住み慣れた場所で最期を迎えたい」「最期まで自分らしく過ごしたい」「家族との時間を大切にしたい」など要介護者の希望を実現
  2. 病床削減の受け皿という狙い

日本の病床数は世界でも多く、病床数を減らすことで医療費を削減し、結果的に国民が負担する税金や医療保険料を抑制できるため、病床削減の受け皿として在宅医療にシフトしています。

参考:在宅医療・介護の推進について

看護師の処遇改善

人手不足解消に向けた看護師の処遇改善に対しての取り組みもおこなっているようです。地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、令和4年2月~9月は補助金により収入を1%程度引き上げる措置をおこない、令和4年10月以降は診療報酬により収入を3%程度引き上げる措置(看護職員処遇改善評価料)を実施しています。

参考:健康・医療看護職員等処遇改善事業
参考:個別改定項目について(看護職員処遇改善評価料の新設)

看護師の負担軽減

働き方改革についてご存じの方も多いでしょう。厚生労働省が2019年に発表した定義によれば、「働き方改革」とは、働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革です。

具体的には「毎年5日、年次有給休暇を確実に取得させる」、「残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とする」などを定めた法改正になります。

看護師の働き方改革においては、「勤務時間インターバルの確保」「夜勤回数の上限設定」「勤務環境改善マネジメントシステムの導入」などが要点となっており、日本看護協会などで提案がなされていますが、正式に決まっている訳ではないため、負担軽減に向けた取り組みが企業に求められています。

参考:雇用・労働「働き方改革」の実現に向けて
参考:看護職の働き方改革

2025年問題:医療業界の対応

厚生労働省の対策をお伝えしましたが、医療業界でも2025年問題を見据えた取り組みがなされています。対応について、以下で具体的に解説します。

地域包括ケアシステムの構築

地域包括ケアシステムとは、介護需要急増といった課題に対して、医療・介護などの専門職から地域の住民一人ひとりまでのさまざまな方が力を合わせ対応しようといったシステムです。

重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進しており、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要とされています。

参考:地域包括ケアシステム

医療従事者の確保

人手不足が深刻な医療の現場では医療従事者の確保に向けた取り組みがなされているようです。看護師の確保に向けては、3万人/年のペースで増加しているものの看護師の需要は多く2025年で約3万人から13万人不足するといわれております。

課題解決に向けた取り組みとして、看護職員の復職支援の強化、勤務環境の改善を通じた定着・離職防止をおこなっていますが解決には至っていない現状のようです。

参考:医療従事者の確保について

准看護師制度の廃止の検討

日本看護協会では准看護師養成の停止を目指し、准看護師養成所から看護師養成所への転換を促進する取り組みをおこなっています。しかし、日本医師会は反対の立場を示しており、准看護師制度を守ることを明言しています。

看護職には2種類の資格が存在しますが、准看護師養成数は年々減少しており、以前に比べ准看護師の就業者数は減少しているようです。

参考:准看護師制度について | 看護職を目指す皆さまへ
参考:准看護師問題について
参考: 准看護師養成数の減少

2025年問題に向けて「在宅医療」も検討してみよう!

2025年問題によって看護師が余るといわれた理由は医療コンサルティング会社が高度急性期病棟の看護師に対して試算したものでした。しかし、看護業界における人手不足は深刻な状況が続いており、ますます需要が高まると予想されます。

また、在宅医療に重点が置かれる昨今、看護師として働く就業先に訪問看護などの病院以外の選択肢を検討されるとよいでしょう。その際には単発バイトアプリ「カイテク」で職場環境を把握してから就業することでミスマッチを防ぐことができますので一度利用されてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

Iharaのアバター Ihara 運営者

15社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計の経験を持つマーケティングアナリスト。大学在籍時に中小企業診断士一次試験突破。ASO・SEOを中心に活動しており、アプリ・インフルエンサーマーケティングにも精通がある。
介護・看護職のための単発バイトメディア「カイテク・メディア」の編集長。
介護・看護職のよりどころ「ケアマガジン」の運営者。

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