股関節の動きが良くなるリハビリ3選

介護施設でのコミュニケーションは自然に体の痛みの話が増えると思います。その中でも股関節周りの悩みは立ったり座ったりと日常生活に直結する悩みなので利用者さんもより深刻そうにお話しされます。

今回では、そんな時使える股関節に対して効果的なリハビリ方法を3つ紹介します。

指導経験がない専門職外の方でも安全に利用者さんに紹介出来るものを選んだのでコミュニケーションの一環としてこちらの情報をご利用いただければ嬉しいです。

目次

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先天的な股関節の悩みも大丈夫

股関節が痛む要因は様々ありますが

  • 先天的な股関節の不安定性
  • 手術による人工股関節


これらの場合は可動域を劇的に広げることは難しいです。一般的な股関節の痛みは股関節前面の筋肉とお尻の筋肉のバランスが崩れることで骨の位置がずれていることが非常に多いです。

今日紹介するリハビリ方法は弱っている部分の筋トレが含まれており体を支えたり足を動かすのが楽になるので先天的な悩みを持った方も是非取り組んでみてください。

股関節はモップのような構造

股関節は球関節という関節で太ももの骨が骨盤のくぼみにはまるような形状をしています。例えるならハンディモップ等を逆さまにしたとき棒部分が太ももで掃除部分が骨盤を担っていて骨盤を軸に棒がどの方向にも動くようなイメージです。

そのため筋肉による支えが弱ると関節が不安定になりやすい関節です。また、膝関節のように前後だけの一方向の動きではなく股関節は前後左右、四方八方の動きのため使われる筋肉の種類も多くなります。それぞれがいいバランスで働くことで関節がスムーズに動きます。

痛みや違和感が発生している方は特定の筋肉しか使えなくなっていて関節の動きがスムーズに行えなくなっているケースが多いです。

股関節リハビリの肝は○○筋!

股関節の悩みの改善に効果的なリハビリは使えていない股関節周りの筋肉に刺激を入れることです。具体的にいうと大殿筋です。大殿筋とはお尻の筋肉になります。

股関節を軸に足を前後左右に動かす筋肉をそれぞれ考えると、

  • 前に動かす筋肉は腸腰筋、大腿四頭筋
  • 後ろに動かす筋肉は大殿筋、ハムストリング
  • 内側に動かす筋肉は内転筋
  • 外側に動かす筋肉は中殿筋、大腿筋膜張筋

ざっくりですがこれらの力が均衡しバランスが取れているとき股関節は安定します。

足を前に動かす筋肉腸腰筋や大腿四頭筋は歩く時、座っているとき、寝ているときも膝を曲げて骨盤よりも膝が前にあれば使われる等かなり使用頻度が高くなります。それに対して足を後ろに動かす筋肉の大殿筋、ハムストリングスは意識して使用しないとほとんど利用されません。

当然お尻が強く働きすぎな方もいらっしゃいますが前側の筋力が強く働きすぎているパターンの方が非常に多い印象があります。

意識をして大殿筋を利用する筋トレが股関節リハビリには効果的なので紹介していきたいと思います。

ヒップスラスト

基本的に寝た状態で行います。膝を立て寝た状態から骨盤を天井にむかって持ち上げます。体が膝から首まで一直線になるまで上げます。横から見たとき股関節部分がくぼんでいるとお尻の筋肉を使い切れていないのでお腹から太ももまでが一直線になるイメージで行いましょう。

この時腰を反っていたりつま先で踏ん張るような動きをする可能性があります。骨盤を上げる前に腰と床の隙間をつぶしてから上げるようにすると腰の反りを抑制することが出来ます。また足裏はかかとで踏むように声掛けするとお尻を意識して使いやすくなります。

腰を反ったりつま先で踏ん張ったりするとお尻の筋肉以外の筋肉に力が入ります。この状態ではいくらお尻を意識しても力が入りません。

お尻に力が入らない状態で繰り返し動作を行ってしまうと逆効果になるので回数をたくさんこなすというよりは一回一回適切にお尻を使えているかどうかチェックしながら行ってください。

スクワット

スクワットには様々なやり方がありますが今回はお尻の筋肉を狙った方法を紹介します。

上記のヒップスラストは寝た状態で行い座った状態で運動が可能ならこちらも行えます。こちらで紹介するスクワットのほうが運動強度が高くなるので利用者さんの生活環境や運動レベルで実施エクササイズを選んでみてください。

椅子に座った状態スタートでただ立ち上がるだけです。ただの立ち上がりですがルールを2つつけることでお尻を利用する運動になります。

  • 立ち上がる瞬間体が前に倒れないように立ち上がる
  • 座るときはお尻を後ろに引いていき椅子の座面をお尻で探すように座る

この2点に注意しながら実施してみてください。体が前に倒れないように立ち上がるのは実際はどうやっても少し前に体が倒れてしまいます。ただ体を残しながら足の力で体を持ち上げようと意識出来るので普通に立ち上がるよりお尻に意識がしやすくなります。

手すりや平行棒等つかまるものがあれば目いっぱいつかまった腕を伸ばして体を後ろに残した状態で立ち上がると体も前に来ないので実施しやすいです。

お尻を後ろに引いて座る意識はこの動作を意識すると膝の負担を軽減出来ます。お尻を真下に落として座ると膝をつま先より前に出しながら座る動作になります。この動作は体重がほとんど膝の筋肉に乗るためお尻を活用しづらい動作になります。お尻を後ろに引くことで膝の位置が変わらずお尻で体重を支える効率のいい動きになります。

再度になりますがスクワットは様々なやり方と狙いがあります。

利用者さんの状況でやるべきスクワットは変わりますが、今回紹介した方法はスクワットの基本動作が詰まっているので是非チャレンジしてみてください。

股関節ローテーション

寝た状態、座った状態どちらでも行えます。動きは簡単です。寝て行う場合足裏でワイパーのような動きを行います。座って行う場合は片足ずつすねの骨でワイパーのような動きを行います。どちらの動きも股関節から動くように行っていください。

具体的には太ももの骨を外側に向けたり内側に向けたりしてください。足裏やすねの骨は結果その部分がワイパーのようになっているわけですが実際動かしてほしい場所は股関節になります。

足首でもワイパー運動が出来てしまうので股関節を全く動かさず行ってしまうケースがあります。その場合可動範囲がとても狭い動きになるので太ももを外側に向けたり内側に向けたりを実際にコロコロと動かしてあげると動きをつかみやすいと思います。

お尻の動きが悪い方はこの動きで太ももを外側にひねる動きを苦手とします。寝た状態だと足裏の外側がベットに付かない、座った状態だとすねの骨が反対足の膝まで届かない等です。大殿筋は太ももを外側にねじる働きもあります。

この動きは怪我のリスク等とても低いので回数を20~30回以上行っても大丈夫です。ゆっくり大きくを意識して沢山動かしてもらいましょう。

よくある運動も意識次第

今回はスクワットという筋トレやリハビリの王道エクササイズに触れました。実施の仕方次第で様々な効果が期待出来る分適切に実施出来ないとマイナスになってしまうこともあります。

今回紹介したなぜこの形で行うのかという理由の所を利用者さんにお伝え出来ると信頼される介護士さんに近づけるのではないでしょうか?リハビリの知識にご興味がある方は運動指導業務がある単発バイトを利用してスキルアップを目指してみるのはいかがでしょうか。

利用者さんの体の動きが良くなることは介護職のモチベーションにもつながると思います。

是非コミュニケーションの引き出しに!

今回は股関節の動きが良くなるリハビリ3選をお伝えしました。股関節は体の核といっていいほど他の部位まで影響する関節です。皆様が携わっていらっしゃる利用者さん体が少しでも楽になれば幸いです。

また簡単に実施することが難しい状況もあるかと思います。利用者さんとのコミュニケーションに活用してもらえたりすると嬉しいです。

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この記事を書いた人

Iharaのアバター Ihara 運営者

15社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計の経験を持つマーケティングアナリスト。大学在籍時に中小企業診断士一次試験突破。ASO・SEOを中心に活動しており、アプリ・インフルエンサーマーケティングにも精通がある。
介護・看護職のための単発バイトメディア「カイテク・メディア」の編集長。
介護・看護職のよりどころ「ケアマガジン」の運営者。

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