【介護職必見!】介護施設での個人目標の立て方を具体例を交えて解説

介護職に限らず、個人目標を立てることはキャリアアップを目指す際に特に重要な要素となるのではないでしょうか。多くの会社では人事考課を取り入れており、半期ごとや年に一度、自己評価と他者評価を基に昇給などの査定が行われる施設も少なくありません。

今回では、介護職における個人目標の設定がなぜ必要なのか、その理由やポイントについて解説します。

また、具体的な例も紹介しますので、目標設定に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

目次

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介護職における個人目標を立てる理由とは?

介護職において個人目標を立てる理由とはなんでしょうか。目標設定を職場から求められているため、仕方なく立てる方もいらっしゃるでしょう。しかし、目標を設定するとたどり着くべきゴールが分かるようになるので立てるメリットは確かに存在します。

目標を設定せずに物事を進めるのは、大海原で目的地を決めずに航海するようなものです。

スキルアップを図るため

目標を設定することの利点には、スキルアップに必要な技能や知識が明確になり、介護における自分の価値観=介護観を形成できるようになることです。介護観を持つことで必要な資格やスキルを見定められますので遠回りせずに習得できるようになるでしょう。

キャリアプランを描きやすくなる

目標を持つことで、自分自身のキャリアップに向けたプランが立てやすくなります。また、人生プランを考えるうえでも目標を持つことは役立つはずです。

人生におけるゴールを設定すると、達成に至るまでの過程を想定するため、理想の人生を送るために「いつ何をするか」という計画が具体的になります。

個人目標を立てるポイントとは?

目標を立てる理由について解説しましたが、そうはいっても簡単には考えられないとお困りの方もいるでしょう。そこで、目標設定をおこなうポイントに焦点をあててお伝えします。

自分の介護観を明確にする

介護における自分自身の価値観(介護において大切にしていること)を考えると目標を考えやすくなります。

利用者へ寄り添った介護を大切にされている方は、利用者満足度の向上など具体的な目標が見えてくるのではないでしょうか。

業務上の課題を考える

業務における現在の課題を考えてみると目標が定まる場合もあります。現在、日常の介護業務で「何に困っているのか?」課題について考えてみると、課題解決に向けた目標が決まるのではないでしょうか。また、課題解決へ向けた目標は実行することで業務改善にもつながるため、業務効率のアップにつながります。

目標達成までの期限を定める

期限設定は目標達成に向けた取り組みに対して有効になります。期限を決めておかないと達成までついダラダラしてしまうことも考えられるでしょう。皆さんは「締め切り効果」をご存じでしょうか?

「締め切り効果」とは、締め切りが明確になっていることで、するべきタスクに集中できる心理現象です。納期を短く設定すると、コンパクトになった期間中に終わらせようと考えるので集中力アップにつながります。

すぐに解決できない目標などは長期目標にし短期目標と分けて考えるのもおすすめです。

実現可能な範囲でも目標を立てる

実現不可能な目標の設定は目標とは呼びません。実現可能な範囲での計画立案が必要になります。最初は簡単に実現できるものから設定し、成功体験を積み重ねていくことでより高い目標にもチャレンジすることができるようになります。

成功体験はモチベーションの向上にもつながりますのでまずは実現可能な範囲で設定してみるとよいでしょう。

PDCAサイクルを活用した4つのステップを意識しよう!

これまで目標を決めるうえでのポイントなどについて説明しましたが、目標を立てるだけでは不十分になります。目標を決めたらそれを実行し、評価をおこないそれをフィードバックしなければなりません。

これら一連の流れをPDCAサイクルと呼ぶのですが、PDCAサイクルがなぜ大切なのでしょうか。ここでは、PDCAサイクルについて項目ごとに説明します。

【Plan】計画を立てる

【Plan】は計画の立案になります。上記で上げた目標を立てるポイントを活かし目標を定めましょう。ここでは、良い例、悪い例を交えて目標をご紹介します。

  • 良い例:褥瘡発生件数を昨年度の50%に減少
  • 悪い例:褥瘡発生件数を昨年度より減少させる

悪い例では、具体的な数字などが不明のため曖昧です。そのため、達成条件が簡単になる恐れもあるため、数字を用いることでより具体的な目標に仕上がります。

【Do】計画を実行する

【Do】計画に沿って実行しましょう。Planで立てた計画=目標に沿って行動をおこないます。できるだけ計画どおりに実施し、次の Check 段階で正しく評価できるように、活動記録をできるだけ残しておきましょう。 

計画どおりにできなかったケースや発生した課題も記録しておくとよいでしょう。

【Check】計画に沿って実行できたかを評価する

【Check】は評価になります。この評価部分がもっとも大切になります。

評価が甘いと目標達成レベルにも影響を与えるため、注意が必要です。

評価に関して自信がない、うまくできない場合には、上司や同僚などへ相談すると一人よがりのサイクルにならずに済むでしょう。

【Action】計画の見直しをおこなう

【Action】は評価した目標に対してのフィードバックになります。見直し、改善をおこない、【Plan】計画を立てるに戻ります。この時、目標の修正をおこなうため、これまでの一連の流れを活かすした再計画が必要です。

この繰り返しをおこなうことで業務を継続的に改善していく流れができ、よりよい仕組みを作ることができるのでぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

個人目標の具体例をキャリア別に紹介!

目標を立ててもそれを評価する仕組みが大事であることをお伝えしましたが、介護施設で働く職員は具体的にどんな目標を立てるのでしょうか。ここでは、キャリア別に具体的な介護目標をご紹介します。

新人介護職(3年未満)の目標例

新人介護職は、職場にも慣れておらず、介護知識も十分とはいえないため、右往左往する時期ではないでしょうか。そのため、設定する目標に関しても業務や利用者を覚えるといった基本から始めなければなりません。

【個人目標の具体例】

  • 介護記録の記載は、「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)」を意識する
  • 利用者の顔と名前を〇月中に覚え、利用者の特徴について理解する
  • 〇月から「介護福祉士実務者研修」を受講し〇月に修了する
  • 職場環境に慣れることを意識し、報連相を必ずおこなう

【目標とする資格】 新人介護職の方におすすめの資格は、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修の取得を目指すことをおすすめします。これらは、基礎知識の習得や業務理解にもつながります。

業務に活かすだけでなく将来を見据えたキャリアアップの際にもにも役立ちます。

中堅介護職(10年未満)の目標例

中堅介護職の場合はどのような目標が適切なのでしょうか。新人とは違って業務にも慣れ、求められる業務もより高度になります。そのため、目標に関しても新人の頃に比べてより具体的にする必要があるでしょう。

【個人目標の具体例】

  • 利用者の表情や様子をよく観察し、些細な変化を見逃さないようにする
  • 利用者に応じた適切な対応や相手に寄り添ったケアができるようになる
  • 部下の指導にて部下の気持ちに配慮した適切なアドバイスができるようになる
  • 介護福祉士試験に向けて、1日1時間は勉強をする時間を作る

<目標とする資格> 中堅介護職員は、ケアマネージャー、介護福祉士などの資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。介護福祉士は介護における国家資格になります。取得されている場合には、ケアマネジャーなど、

介護施設と利用者をつなぐ架け橋になる資格もキャリアップにつながるため検討してみてはいかがでしょうか。

ベテラン介護職(10年以上)目標例

ベテラン介護職においては、施設運営に関する事項も意識してみるのもよいでしょう。具体的には、目標とキャリアップを絡めて施設長や管理者などの役職を志してみてはいかがでしょうか。施設管理者などになる要件には、実務経験などが必要な場合もありますので、それらを意識した目標設定などがおすすめです。

【個人目標の具体例】

  • 介護職員の人員配置基準を見直し適切な業務量へ作業工程を見直す
  • 介護職のリーダーや管理者向けの研修に積極的に参加し運営に関する理解を深める
  • 事業所の経営状況を正確に把握し、運営に関する理解を深め業績の向上を目指す

【目標とする資格】 ベテラン介護職の方におすすめの資格は認定介護福祉士やサービス提供責任者です。認定介護福祉士とは、介護福祉士の上位資格にあたる民間資格になります。5年以上の実務経験にプラスして養成研修を修了することで資格取得ができます。サービス提供責任者、通称(サ責)は施設利用者への連絡・調整を行う仕事で仕事内容な多岐に渡ります。

施設管理者を目指し施設種類に応じた要件を満たすことも有効になるでしょう。

介護施設の目標も参考にしてみよう!

個人目標を設定するうえで介護施設の目標を参考にするのも有効な手段になります。施設目標と個人目標がうまく嚙み合えばより良い介護サービスの提供を利用者に提供できます。

介護施設の年間目標や月間目標の具体例とは?

介護施設では、月間目標や年間目標を設定する施設も多く存在します。施設職員が一丸となることで協調性がうまれ、業績アップにつながる場合もあるため、施設にとって目標を設定することが運営にプラスに働くからです。

ここでは、実際の介護施設で立てた目標の具体例をご紹介します。

【年間目標】
・ご利用者様との信頼・理解を深め、ケアの質の向上を図る。
・認知症を理解し、ご利用者様がご利用者様らしく生活できるよう支援する。
・バランスのとれたチーム運営
【月間目標】
・言葉遣いに気をつけよう
・コスト削減に努める
・身だしなみを整える

上記の目標をみると、日常的なことから利用者に焦点をあてたものまでさまざまです。紹介した施設では目標を立てた後、達成できているか評価する仕組みをしっかりと構築しています。

キャリアアップを図るためには、個人目標の設定が鍵になる!

仕事において、目標を持たないのと目標を持って働くのとでは、業務効率やスキル習得にも差が出てしまいます。そのため、介護職としてのキャリアップを図るためには、個人目標を設定し、PDCAサイクルを活用した継続的な改善が必要になります。

目標設定に悩んでいましたら、今回の記事を参考に目標を立ててみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

Iharaのアバター Ihara 運営者

15社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計の経験を持つマーケティングアナリスト。大学在籍時に中小企業診断士一次試験突破。ASO・SEOを中心に活動しており、アプリ・インフルエンサーマーケティングにも精通がある。
介護・看護職のための単発バイトメディア「カイテク・メディア」の編集長。
介護・看護職のよりどころ「ケアマガジン」の運営者。

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