看護師として働いていると、看護師長は身近な存在と言えるでしょう。職場をまとめる能力を持ち、人望が厚く魅力に溢れる看護師長もいれば、スタッフへの配慮が欠け、感情的になる師長もいます。
これから管理職を目指す方や、現在師長として働いている方は、ぜひ参考にしてください。
看護師のキャリアアップの流れ
看護師のキャリアアップは、看護主任→看護師長→看護部長の順に昇格を目指します。それぞれの役職になる目安は以下の通りです。
- 看護師→看護主任(臨床経験10年以上)
- 看護主任→看護師長(臨床経験10~20年)
- 看護師長→看護部長(看護師長として10年以上の経験)
上記の経験を積み、看護主任には30歳頃、看護師長には40歳頃にキャリアアップするのが目安とされます。しかし、20代で看護主任になる方や30代で看護師長になる場合もありますので、昇進はケースバイケースと言えるでしょう。
ダメな看護師長ケース
看護師長は、部署をまとめるリーダー的存在です。しかし、「気分屋で他人の悪口ばかり言う」「シフトがいつまでも完成しない」「自分の嫌いなスタッフには徹底的に厳しい」といった、働く師長についての興味深いご意見をいただくことがあります。
ここでは、ダメな師長の特徴をケース別でご紹介いたします。
自分のことだけで周りが見えていない
周りのスタッフの状況を把握せず、自分のことだけに夢中な師長も存在するようです。師長の業務は多岐にわたりますので、多忙な状況であることが予想されますが、そんな状況下でも周囲への指示が時には必要です。
経営ばかりを優先させる
看護師長は管理職という立場上、病院経営も考慮しなければなりません。しかし、経営のことばかりを重視してしまうと、現場のスタッフや患者のことを疎かにし、本末転倒となります。
看護師長の方針が病院の方針として現場スタッフに受け入れられないこともあるでしょう。そんな場合、上からの意見ばかりを重視してしまうと、他のスタッフは納得せず、不満が生じやすくなります。
中間管理職として、現場の看護師の意見と病院経営の間に挟まれるのは仕方がない状況ですが、双方の意見を尊重する技量が求められます。
感情コントロールができない
トラブル対応などで自身の感情をコントロールできず、ついカッとなってしまう看護師長もいます。感情的になる上司の前では、部下は顔色をうかがいがちで、不満が募ることになり、信頼を獲得するのが難しくなります。時として叱ることも必要ですが、感情的な発言よりも冷静な論理的な説明の方が説得力があります。
責任ある立場として、感情をコントロールするセルフマネジメント能力が求められるでしょう。
信頼される看護師長になる5つのポイント!
「こんな看護師長にはついていけない」と感じてしまうような看護師長もいる中、部下から厚い信頼を得ている看護師長も存在します。周りのスタッフから評価される理由は何なのでしょうか。
ここでは、信頼される看護師長になるためのポイントを5つ紹介します。
1.スタッフが一目置くリーダーシップ
病棟スタッフをまとめるリーダーシップは、看護師長に求められる必須のスキルです。どんな状況でもスタッフを一つにまとめ、導くことが求められます。
周りの意見を取り入れたり、意見を傾聴することで、スタッフの気持ちに寄り添うことが可能となり、信頼関係を築くこともできるでしょう。
2.否定ではなく肯定する柔軟さをもつ
人は皆、周りに認められたいという思いを持っています。相手に説明を行う場合、「否定的表現」と「肯定的表現」では伝わり方が異なります。否定的な発言を繰り返し用いると、相手も嫌な気持ちになるでしょう。一方、前向きな肯定的表現を用いると、自己肯定感が高まり、モチベーションが向上します。
日頃から言い方を変える工夫ができる人は、コミュニケーションスキルも高く、良好な人間関係を築けるでしょう。
3.働きやすい環境づくりができる
働くスタッフが不満ばかりを口にする病棟は、雰囲気が悪くなり、業務効率も悪化するでしょう。スタッフが抱える悩みに気を配り、改善に積極的な看護師長であれば、スタッフは安心して働けます。
風通しの良い職場作りを心掛けることで、職場環境の改善が期待でき、長期的な雇用にも良い影響があります。
4.患者や家族対応にも配慮を欠かさない
患者やその家族への対応も非常に重要です。入院生活では病気だけでなく、将来に対する様々な不安があります。患者さんやその家族に対して、感謝の意を示し、配慮を行うことで信頼関係が築けるとともに、患者満足度の向上にもつながります。これが良い口コミへと繋がり、病院経営にも大きな影響を与えるでしょう。
良い対応を心掛けることで、家族の理解も得やすくなり、患者の減少を防ぐことができます。
こういった対応力を持つ看護師長は、職員だけでなく患者からも尊敬される存在となるのではないでしょうか。
5.説得力のある納得の答えを提示できる
スタッフの意見は多岐にわたり、中には断らなければならない場面も出てきます。そんな時には、相手が納得できる明確な答えを提供することで、不満へと移行することが少なく、一目置かれる存在となるでしょう。
一方的な指示だけでなく、納得させる根拠や明確な返答ができると、部下も受け入れやすくなるのではないでしょうか。
管理職としての辛い悩みとは?
「クレーム対応が大変」「病院と看護師の板挟みになる」といった問題を抱える看護師長が多いようです。
また、人手不足の看護業界では、師長が自己犠牲を余儀なくされるケースも多く、それが悩みの原因となるのでしょう。
やる価値はあるの?看護師長のやりがいを紹介
看護師長への昇進の打診があっても、辞退する方もいらっしゃるようです。ストレスが多い環境となり、多くの責任を背負いたくないといった声をよく耳にします。
そんな看護師長ですが、果たしてその役職に就く価値はあるのでしょうか?
ここでは、看護師長になることで得られるやりがいやメリットを解説します。
飛躍的な年収アップが期待できる
管理職である看護師長への昇進は、どれぐらいの年収アップにつながるのでしょうか。
日本看護協会が調査した「2021 年看護職員実態調査」によると、フルタイム勤務の非管理職(看護師)・中間管理職(主任以上)についての税込給与総額の平均は、以下になります。
- 非管理職:税込給与総額35万6,163円
- 中間管理職:43万4,895円
日本看護協会の「2012 年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」では、年収額の平均について記載がありました。
- 非管理職: 519 万 2,417 円
- 中間管理職(主任以上): 648 万 3,444円
月収では8万円近くの増加になり、年収では130万円ほどの飛躍的な収入アップにつながるようです。収入アップを目指す方にとって看護師長への昇進も選択肢に含まれるのではないでしょうか。
参考:2021年 看護職員実態調査
参考:2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書
社会的信用を得られる
2021年の看護職員実態調査によると、全体の中間管理職の割合が22.8%となっています。この統計には看護師長以外の副看護師長や主任も含まれるため、さらに少ない割合となると考えられます。
看護師長になるには、病院内での実績と評価が必要です。また、看護師長という役職は社会的信用も得られ、ローン審査が通りやすくなるなどのメリットがあります。
人材育成による喜び
部署をまとめる立場であるため、スタッフ教育も看護師長の業務内容に含まれます。病棟スタッフの意識向上が部署目標達成につながった場合や新人教育がうまく行き、一人前になった際には、自分自身の成功のように喜びを感じられるでしょう。
人材育成の喜びがやりがいへと変わり、自身の仕事への自信が持てるようになるはずです。
看護師長を目指す方法
看護師長へのキャリアアップを目指す場合、看護技術やマネジメント能力が求められます。
現在の看護師長を目標とするのも良い方法ですが、お勧めの方法としては、「カイテク」で他の現場の看護師長の働きぶりを観察することも考えられます。
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スタッフの気持ちに寄り添い周りからの信頼を獲得しよう!
ダメな看護師長の特徴として、経営側の意見ばかりを重視し、他のスタッフの意見を聞かない方が多いことが指摘されます。
看護師長は看護技術だけでなく、マネジメント能力も必要となり、責任も重くのしかかります。中間管理職という立場は非常に大変なポジションですが、収入の向上を望むだけでなく、人材育成の喜びややりがいも多く感じられます。
周りから信頼される看護師長になるためには、まずスタッフの意見をしっかりと傾聴し、信頼関係を築くことから始めてみましょう。