“高齢化が進む日本では、さまざまな種類の介護施設があります。その1つに「通所型のデイサービス」があり、日中のみ通えるということで多くの方が利用しています。デイサービスは、介護士だけが働いているイメージが強いですが、看護師も必要不可欠な存在です。そして近年、デイサービスで働きたいと考えている看護師が増えているようです。
- 仕事内容やスケジュール
- 給料や休日
- メリット・デメリット
また、実際に働く看護師の口コミが載っている口コミサイトも紹介します。デイサービスへの転職を考えている看護師の参考となります。ぜひ最後まで読み進めてください。
デイサービスでの看護師の役割は?
デイサービスにおける看護師の役割は、主に利用者の健康管理です。また、食事や入浴・レクリエーションなど介護士のサポートをする場合もあります。看護師の位置づけや仕事内容・1日のスケジュールは、どのような内容なのでしょうか?さっそく見ていきましょう。
看護師の位置づけ
デイサービス(通所介護)とは、65歳以上の要介護者が日帰りで利用できる高齢者施設です。可能な限り自宅で自立した生活を送れるよう、通いながらQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目的としています。厚生労働省によって利用者の定員数に対して以下の職種の人員基準が定められています。
- 管理者
- 介護職員
- 生活相談員
- 機能訓練指導員
- 看護師
利用定員が10名を超える場合は、看護師または准看護師を1名以上配置する必要があります。
仕事内容や1日の流れ
デイサービスでの看護師の仕事内容は、以下の内容があります。
- 検温や血圧測定・体調確認などの健康管理
- 薬の管理
- 医療的ケア
- 食事や排泄、レクリエーションなど介護士のサポート
デイサービスは、医師が常駐しない施設のため、緊急時には看護師が対応しなければなりません。医療行為は、看護師もしくは研修を受講した介護福祉士のみが可能です。そのため看護師は、大変重要な役目を果たしています。
次に、仕事の流れを見ていきましょう。デイサービスには、「1日型」と「半日型」があります。施設により業務内容はさまざまですが、1日型の基本的なスケジュールは以下となっています。
09:00 出勤、利用者さんのお迎え
09:00~ バイタルチェックを行い、終わった方から入浴
10:00 入浴後の処置
11:00 レクリエーションのサポート
12:00 昼食時の介助・薬の準備
13:00 休憩
14:00 健康状況や処置内容などの業務記録を作成
15:00 おやつの介助
16:00 利用者の帰宅お見送り
16:30 片付け・翌日の準備
17:00~18:00 終了
給料や休日について
デイサービスで働く看護師の給与は、施設や地域により異なり、300万円〜400万円となっています。病院勤務や夜勤のある介護施設に比べて低くなるでしょう。また、多くの施設が、平日に日勤の勤務をします。
夜勤や土日祝日は休みになり、子育て中の方などプライベートと両立しやすい環境と言えそうです。
間違えやすいデイケアとの違い
デイサービスとデイケア施設は、どちらも日中に高齢者や障害者のケアや支援を行う施設です。
大きな違いは、以下の4点があります。
- 対象者 デイサービス…要介護1以上の65歳以上の方が対象。デイケアは…要支援1~2、要介護1~5の方が対象
- 利用目的 デイサービス…自立した生活を送るための支援やリハビリ・交流・レクリエーションを行う。デイケア…身体機能や認知機能の回復のために医師の指示のもとリハビリを行う
- サービス内容 デイサービス…主に食事や入浴、排泄などの生活支援サービス。デイケア…医師の指示のもと訓練や作業療法・健康管理など医療的サービス
人員配置デイケアでは、リハビリの専門職や医師の配置が必要違いも理解した上で、
デイサービスの特徴を理解しておくと良いでしょう。
デイサービスで看護師として働くメリット・デメリット
では、看護師にとってデイサービスで働くことで、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。メリット・デメリットを紹介していきます。
メリット
看護師が働くメリットは、主に以下の3点があります。
- 夜勤や残業がなく、土日も休みが多い
- 体力的負担や心理的負担が少ない
- スキルや経験が少なくても働きやすい
デイサービスの施設は、平日の日中勤務の場所が多く、夜勤もなく土日休みになります。また、健康管理や服薬などが中心です。病院勤務と比べ、体力的や心理的な負担は少なくすむでしょう。レクリエーションなどにも参加しますので、楽しく業務に取り組める点もプラスポイントになりそうですね。
業務内容も多くないため経験の少ない方や結婚を機に引っ越した方や子育て中の親御さん、ブランクができた方などにも働きやすい環境と言えます。
デメリット
次にデメリットを見ていきましょう。
- 看護師の人数が少ない
- 利用者や介護士との連携が重要
- 収入が少ない
- スキルアップが難しい
デイサービスの看護師の配置は少人数です。そのため、看護師同士のコミュニケーションをとることが難しくなります。緊急時には、1人で対応しなければならないことも…。重要な責任を任される場合が多くなるでしょう。また、利用者さんや介護士との交流がメインとなります。
コミュニケーションが取れずに悩んでしまい、働きにくいと感じる看護師もいるようです。そして、残業はほとんどなく夜勤がありません。そのため、病院勤務に比べて給料が低くなります。
デイサービスで働くのに向いているとは?
仕事内容やメリット・デメリットを解説していきました。では、実際にはどのような方がデイサービスで働くのに向いているのでしょうか?
この章では、デイサービスで働くことに向いている人の特徴を見ていきましょう。1点目は、「コミュニケーションをとるのが得意な方」です。デイサービスでは、利用者さんは高齢者の方が多く、同僚は若い世代から年齢の上の方などさまざまな年代が働いています。年代問わず話すことが得意で、楽しみながら働きたいという方が向いているでしょう。
2点目は、「プライベートと両立したい方」です。メリットでも取り上げましたが、デイサービスは平日の日勤が多く夜間や土日に時間を取れやすくなります。給料面よりも、休日を重視しプライベートを充実させたい方に向いています。
デイサービスで働く看護師の口コミが見られるサイト3つ
デイサービスで働く看護師の口コミを見られるのは、以下の3サイトです。
- ナスコミ
- メディコ
- ナース専科
気になる施設の情報があるか、検索してみましょう。
ナスコミ
ナスコミは、株式会社アーケロンプロダクツが運営しています。看護師や医療関係者が、実際に働いているもしくは働いたことのある医療機関について口コミを投稿しています。
・勤務条件
・職場環境
・仕事のやりがいや大変さ
・休日や残業
・人間関係
などさまざまな内容が書き込まれています。投稿・閲覧するには、個人情報を入力し、会員登録が必須です。
公式サイト:https://ns-com.net/
メディコ
現役やOB・OGの方が働いたことのある施設について口コミを投稿でき、他の方が書いたリアルな口コミも閲覧できる口コミサイトです。利用するには、会員登録は無料で必須です。登録が完了すると病院の口コミや評価・働きがいのある病院ランキング・年収レポートなど、知りたい情報をすべて閲覧できます。
口コミやランキングの閲覧にはポイントが必要となり、1つの施設につき100ポイントですべてが利用できます。ポイントは口コミを投稿したり、Web履歴書を登録することで獲得可能です。
公式サイト:https://medi-co.jp/
サース専科
株式会社エス・エム・エスが運営する、看護師や看護学生に向けた情報提供サイトです。仕事や勉強に関する悩み相談や職場の口コミ、求人情報など豊富な情報があります。無料会員登録で、すべてのサービスの利用が可能となりすので、ぜひご活用ください。
公式サイト:https://nurse-senka.jp/
まとめ
今回の記事では、デイサービスで看護師が働く上で理解しておきたい、以下の内容を解説していきました。
- 看護師の役割や仕事内容
- 間違えやすいデイケアとの違い
- メリット・デメリット
- デイサービスで働くのに向いているとは?
- 口コミサイト
デイサービスにとって、看護師はなくてはならない存在です。今回解説した内容と自分の求めている働き方に近いものなのかを一度考えてみましょう!そして、自分の希望にある勤務体系など、口コミを参考にして、後悔しない職場選びをしてくださいね。