多くの看護師がダブルワークをしていますが、ダブルワークを検討中の方には次のような疑問が生まれるかもしれません。
- 「看護師としてダブルワークをしても大丈夫なのでしょうか?」
- 「ダブルワークをしている看護師は、どのような仕事を選んでいるのでしょうか?」
ダブルワークする前にチェックしておきたいポイント
看護師としての本業を持ちながらダブルワークを検討している方は、自分がダブルワークが可能な状況かどうかを最初にチェックしてください。
こちらではダブルワークをする前にチェックしておきたいポイントを解説します。
公務員看護師はダブルワーク禁止
国家公務員法や地方公務員法で、公務員看護師のダブルワークは原則禁止されています。
公務員は「国家公務員法第103条」「地方公務員法第38条」において、営利を目的とする活動をしてはならないことが記載されています。
この他に副業を制限する根拠となる「3原則」と呼ばれる法律があります。
- 信用失墜行為の禁止(国家公務員法第99条)
- 守秘義務(国家公務員法第100条)
- 職務専念の義務(国家公務員法第101条)
副業を許可すると、この3原則を破る恐れがあるため「公務員の副業は禁止」と言われています。
参考:国家公務員法 条文
就業規則を確認
就業規則に副業禁止の規定がある場合、副業を行うことで規則違反となり、最悪の場合、懲戒対象となる可能性があります。副業の規定がない場合でも、副業を行うことが問題ないかどうかは、念のため就業先に相談しておくと確実です。
ただし、「会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止または制限することができる。」とあります。
その各号とは以下の通りです。
- 労務提供上の支障がある場合
- 企業秘密が漏洩する場合
- 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
- 競業により、企業の利益を害する場合
参考:厚生労働省「モデル就業規則」第14章 副業・兼業(第70条)
副業の可否については就業先にしっかりと確認を取ることが大切です。
体力やシフト状況がダブルワーク出来る状態か確認
本業以外に仕事をすることは、思っている以上に体力や精神力を消耗します。ダブルワークを行う際は、本業とのシフト調整も必要となります。
現状をしっかりと把握し、体力的にも精神的にも問題がなく、シフトもうまく調整できるかどうかをしっかりと確認してください。
看護師のダブルワークでの注意点
本業以外に収入が増えることは、生活に余裕が出来るだけでなく、貯蓄や老後の蓄えを確保できるため、精神的にも余裕が生まれます。しかし、収入が増えることには注意しなければならない点もあります。
ここでは、看護師のダブルワークでの注意点をご紹介します。
確定申告を忘れない
確定申告は2か所以上から給与を受け取る場合や、ダブルワークでの収入が20万円を超える場合に行う必要があります。本業で年末調整を行っており、ダブルワークでの収入が年間20万円以下であれば、税務署への確定申告は不要です。しかし、本業以外で少しでも収入がある場合には、住民税の確定申告が必要になります。
税務署で確定申告をした場合、お住いの市区町村に税務署からの通知が行くため、別で住民税の申告をする必要はありません。しかし、ダブルワークでの収入が20万円以下の場合でも、市区町村への住民税の確定申告は必要です。その他、以下のような状況でも確定申告の必要があります。
- 年末調整を行っていない方(年収2000万円を超える方や、災害減免法で所得税の猶予を受けている方)
- 医療費控除、寄付金控除、住宅ローン控除等のいずれかの控除を受ける場合
- 給与以外の収入がある方(不動産賃貸、株式譲渡、一時所得など)
上記のいずれかに該当する方は、忘れずに確定申告を行ってください。
住民税の徴収方法を確認する
住民税の徴収方法には、「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があります。特別徴収は勤務先から住民税を天引きされる方式で、普通徴収は自身で住民税を納付する方法です。
通常、住民税は本業先で特別徴収されるため、何もしなければ本業先とダブルワーク先の合算所得額が本業先に通知されます。そのため、ダブルワークで得た収入額が本業先にわかってしまうことになります。これを避けるためには、確定申告や住民税の確定申告時に住民税の徴収方法を普通徴収に変更する必要があります。
普通徴収にするには、住民税の徴収方法を選ぶ項目で普通徴収の箇所にチェックを入れるだけです。これでダブルワーク先の所得額は本業先には通知されません。
上司などにダブルワークの申告をしておく
ダブルワークを始める際は、就業規則に抵触しないか確認し、上司などに申告しておくことが安心です。上司へダブルワーク先の仕事内容や日数、労働時間を伝え、問題がないか再確認してください。
現役看護師がしているダブルワーク例
看護師に人気のダブルワークとは一体どんな仕事なのでしょうか?
現役の看護師がダブルワークとして選んだ仕事をご紹介します。
webライター
看護師の経験や知識を活かして、ウェブライターをしている方は多くいます。自分でブログなどを開設して行う場合や、クラウドソーシングなどでライティングの受注をして記事を書いている場合があります。
収入目安は月収3~7万円程度です。
訪問看護師
訪問看護師はパートや登録など、自分の働ける時間や曜日を選択できる事業所が多く、本業に支障をきたさないことから知識を活かしながら働けるので、人気の仕事です。
収入目安は月収5~10万円程度です。
単発バイト
単発バイトやスキマバイトなど、自分の空いている日や時間を有効活用でき、すぐに働けるため、シフトや体調管理がしやすいと人気です。
収入目安は月収2~10万円程度です。
フリマアプリや手作り商品のweb販売
手作りの物やまだ使えるのに不要になってしまった物などをネットで販売するフリマアプリやウェブ販売は、在宅でできる仕事として非常に人気があります。
特にフリマアプリは簡単に始めることができ、売れるまでは何もしなくても良いという手軽さが好評です。
収入目安は月収1~3万円程度です。
看護師のダブルワークにおすすめの仕事5選
看護師がダブルワークを検討する際に大切なのは、自分の体調管理と本業の妨げにならないかどうか、という点です。
ここでは、看護師のダブルワークにおすすめの仕事を5選ご紹介いたします。
時間や曜日を選べるパート勤務
パート勤務は、時間や曜日を選べるところが多く、特に飲食店や介護職、ホームセンターなどは、働きたい時間や曜日を1ヶ月単位で勤務希望を出せるところが多いです。
本業との調整がしやすく、適度に休むことも可能です。
夜勤専従看護師
夜勤専従看護師であれば、1週間に1~2回程度の勤務が多いですし、曜日も選べる職場が多いため、本業の休日前などにシフトを入れておけば、無理なく働くことができます。
介護看護単発バイトアプリ「カイテク」を利用する
介護看護単発バイトアプリ「カイテク」は、登録するだけで仕事探しができるアプリです。その都度履歴書を書く必要はなく、面接もありません。
自分の好きな日や空いている時間で働くことができるので、非常に人気のアプリです。
カイテクは面接なし・給与即金の看護単発バイトアプリです。
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看護や医療のライター
看護師の知識を活かして活動できるライターは、需要が多くあります。自由な時間で執筆できるので、看護師のダブルワークにはおすすめです。
看護・医療系ライターの執筆料は、1文字1円~3円程度となっています。
在宅ワーク
在宅ワークは、主にデータ入力やリスト作成、電話オペレーターなどの仕事が多く、単価は低めですが、在宅でパソコンがあればできる仕事がほとんどです。
忙しい看護師のダブルワークにはおすすめです。
看護師のダブルワークは自己管理が大切
近年、看護師でダブルワークをする方が増えてきました。ダブルワークを始めると、これまでの生活習慣が変わってしまうことから、体調を崩す方もいらっしゃいます。看護師の仕事は体力的、精神的にも負担がかかる大変な仕事です。
収入が増えることで、生活の安定や将来のための貯蓄などに充てることができますが、最も大切なのは心身ともに健康であることです。ダブルワークを検討している看護師の方は、無理をせず、自身の体調を最優先に考えて働くよう心掛けてください。