【事例あり】訪問介護のあいまいゾーンを解説!できること・できないこと

あいまいゾーンの判断は、訪問介護を提供する際に悩みやすい内容です。利用者の依頼に適切な対応をするためには、訪問介護のできることとできないことを把握し、判断の基準を持つことがポイントです。

今回では、グレーゾーンの事例や訪問介護のできることとできないこと、依頼への対策などをご紹介いたします。

目次

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訪問介護のあいまいゾーン・グレーゾーンとは?

訪問介護においては、必要な支援が個別の事例によって判断され、適切なサービスを提供するかどうかがわかりにくい場合があります。これをあいまいゾーンやグレーゾーンと呼び、訪問介護を提供する際に悩むポイントとなることが多いです。

あいまいゾーンを考える際は、訪問介護でできることとできないことを把握することで、判断の基準を持ち、対策が立てやすくなるでしょう。

訪問介護のできること・できないことを確認しよう

あいまいゾーンやグレーゾーンを判断するには、訪問介護でできないことを把握する必要があります。できない行為が明確であれば、不適切なサービスの提供を防ぎ、事業所として適切に対応できるでしょう。

ヘルパーができること・できないこと

ヘルパーができること・できないことは以下の通りです。

できること

  • ケアプランに位置付けられた訪問介護の行為

ケアプランには利用者ごとに必要なサービスが定められているため、一人ひとり内容が異なります。利用者のケアプランに位置付けられた介護の行為のみ、訪問介護サービスとして提供できます。

できないこと

  • ケアプランに位置付けられていない行為
  • 介護保険対象外の行為
  • 医療行為

ケアプランに位置付けられていない行為に関しては、基本的に行うことができません。利用者の状態や状況の変化によりサービス内容に追加などが必要な場合は、ケアプランを変更したのちに行う必要があります。

また、介護保険外の行為や医療行為も訪問介護では提供できません。中でも、生活援助の掃除や買い物は、介護保険対象外の内容を依頼されるケースも多いため、注意しましょう。

  • 依頼の多い介護保険対象外の行為
    • 利用者本人の介護にあたらない行為
    • 日常に必要な範囲を超える掃除や買い物
    • ヘルパーが行わなくても日常生活に支障がない行為
    • 同居家族が行える家事

できること・できないことの具体的な行為と一覧はこちらをご覧ください。

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ヘルパーがしてはいけない掃除

掃除のサービスは、介護保険対象外の内容を頼まれることが多いため特に注意が必要です。ヘルパーがやってはいけない掃除の代表的なものは以下の通りです。 

利用者本人の介護にあたらないこと 

  • 本人が使用しない部屋の掃除 
  • 同居家族との共有スペースの掃除 

日常に必要な範囲を超えること 

  • 換気扇掃除、窓ガラスの拭き掃除、床のワックスがけ 
  • 大掃除、模様替え、家具や大型家電の移動・修繕など 

ヘルパーが行わなくても日常生活に支障がないこと 

  • 草むしり、庭木の手入れなど 

同居家族が行えること※

  • 同居家族が実行できる掃除 

※利用者に同居の家族がいる場合、生活援助を提供できるのは家族による支援が受けられないと判断される場合に限られ、判断の基準は市区町村によって異なります。 

厚生労働省|老計第10号

訪問介護で提供できるサービス行為は、厚生労働省の「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」で確認できます。これは老計第10号とも呼ばれ、訪問介護のサービス内容の決定や算定の基準になっています。あいまいゾーンやグレーゾーンの対応に迷う際は、老計第10号を参照しましょう。

また、生活援助の範囲に関しては、老振第76号(指定訪問介護事業所の事業運営の取扱い等について)も参照しましょう。

老計第10号、老振第76号は以下よりご確認ください。

老計第10号:厚生労働省|「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の一部改正について
老振第76号:厚生労働省|(別紙2). 指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について

【事例】訪問介護のグレーゾーンを解説!

訪問介護で見られるグレーゾーンについて、よくある事例を4つご紹介します。依頼された際の参考にしてください。

事例1.仏壇の掃除・仏花の水替え

仏壇の掃除や仏花の水替えは、掃除の延長として利用者から依頼されることがあります。しかし、これらは日常の生活に必要な範囲に該当せず、日常生活に支障が出る内容ではないため、ヘルパーは行えません。

事例2.来客中の対応

来客用のお菓子や贈り物を購入してほしいと頼まれるケースも多いのですが、これも対応できません。訪問介護で行う買い物は、利用者本人が使用する日常生活に必要な物品の購入に限られます。さらに、来客の応接は本人を直接援助するものではないため、生活援助の範囲外とされています。そのため、来客用の買い物、来客へのお茶出し、来客に関する手配などは行えません。また、家族が利用者の居宅にいるときはサービス提供が不可能となっています。

事例3.遠い店での買い物

近くのスーパーではなく遠くの店舗への買い物依頼も、対応できない事例となります。買い物サービスは、日常生活に必要な物品の購入を目的としており、近隣のスーパーなどでの購入が基本となっています。そのため、「向こうのスーパーの方が安いから」といった理由で遠くの店に買い物に行くことはできません。

ただし、利用者の生活に必要で近隣で購入できないものと判断された場合は、別の店舗を利用できる場合もあります。基準は利用者の状況や市区町村の判断によって異なりますので、確認が必要です。

事例4.ヘルパー自身の家族に対するサービス提供

ヘルパーが自身の家族に対してサービス提供を行う場合、同居のケースと別居のケースで判断が異なります。

同居の場合:不可

同居の家族がヘルパーとして訪問介護サービスを提供することは禁止されています。この理由は、家族による介護との境界が明確でなく、サービス提供時間内の行動に客観的な視点が持ちにくいためです。

別居の場合:確認が必要

別居のケースでは、規定そのものがないため認められることもあります。しかし、同居家族と同様に、不可となるケースも多いでしょう。個別の状況によりますので、市区町村での確認が必要です。

参照:
厚生労働省|指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第二十五条)
大阪市|別居親族による訪問介護サービスの提供について

グレーゾーンへの対策

グレーゾーンの内容を依頼された場合、依頼の背景や利用者の気持ちをヒアリングすることがポイントです。利用者は、ヘルパーにできないことがあると知らずに依頼している場合が多いです。できないからと一方的に断るのではなく、利用者に寄り添い、困りごとへの対策を一緒に考える姿勢を示すことで、利用者も安心できるでしょう。

その上で、事業所やケアマネージャー、家族と相談して解決方法を考えることが重要です。家族の協力や介護保険外サービスの利用など、訪問介護以外でも利用者の問題を解消できる方法はあります。

契約時に事前説明を行うや、書面で知らせるなどの対策もトラブル回避に有効です。

あいまいゾーンはヘルパーができないことを把握して適切に対応しよう 

訪問介護のあいまいゾーンでは、介護保険のサービス内容の理解と把握、利用者に寄り添った対応が重要です。訪問介護サービス以外の解決方法を探求することで、利用者の安心と信頼を保つことが可能です。制度に沿ったサービス提供と利用者満足を両立させるためのアプローチを心掛け、適切に対応しましょう。

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この記事を書いた人

Iharaのアバター Ihara 運営者

15社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計の経験を持つマーケティングアナリスト。大学在籍時に中小企業診断士一次試験突破。ASO・SEOを中心に活動しており、アプリ・インフルエンサーマーケティングにも精通がある。
介護・看護職のための単発バイトメディア「カイテク・メディア」の編集長。
介護・看護職のよりどころ「ケアマガジン」の運営者。

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