看護師はヘルパーとして働ける!資格の申請方法やできないことを解説

「看護師はヘルパーになれますか?」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。結論から申し上げますと、看護師はヘルパーとして働くことができます。

今回では、看護師がヘルパーに転職する際の資格やメリット・デメリット、看護師とヘルパーの違いをご紹介します。

目次
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看護師はヘルパーとして働ける!

看護師の方は、新たに研修などを受講しなくても、訪問介護員として働くことができます。看護師資格を保有している場合、訪問介護のヘルパーに必要な資格要件のうち、介護職員初任者研修の課程を修了しているとみなされるためです。

ただし、看護師、准看護師、保健師の資格保有者の取り扱いは都道府県によって異なるため、確認が必要です。

申請するだけでOK|初任者研修修了証明書の取得方法

看護師が介護職員初任者研修の修了証明書を取得する場合、都道府県指定の届出書に資格証書のコピーなどを添えて申請します。改めて研修を受講する必要はなく、申請のみで証明書が発行されます。

申請方法や必要な書類は、各都道府県で確認してください。

看護師とヘルパーの違い

看護師からヘルパーに転職する際は、2つの仕事の違いを理解することが重要です。

ここでは、看護師とヘルパーの業務内容の違いを解説します。

業務内容の違い

看護師とヘルパーの業務内容の違いは以下の通りです。

看護師:診療や治療の補助、患者の心身のケア

看護師は、医師の診察に基づき診療や治療の補助、看護を行うのが仕事です。また、患者の相談を受けたり指導したりなど、心のケアも看護師の大切な業務となっています。注射や点滴、採血などのほか、食事や入浴、排泄の補助などを提供します。

ヘルパー:日常生活に必要な行為の支援

訪問介護のヘルパーは、ケアマネージャーが作成するケアプランに基づき、利用者の日常生活に必要な行為の介助や家事の支援を行います。また、利用者の生活に合わせたサービスを実施し、日常生活で見られる変化をキャッチすることも重要な役割です。食事や入浴、排泄などの身体介護、掃除や洗濯、調理などの生活援助を提供します。

看護師とヘルパーの詳細については以下をご覧ください。

厚生労働省|看護師
厚生労働省|訪問介護

ヘルパーがして看護師がしないこと|家事の支援

ヘルパーがして看護師がしないことは、家事の支援です。訪問介護のサービスには、利用者と家族が行えない家事の支援が含まれています。具体的な内容は、掃除や洗濯、調理、買い物などで、ケアプランに位置付けられた日常生活に必要な行為が対象です。

看護師ができてヘルパーにできないこと|医療行為

看護師ができてヘルパーができないことに、医療行為があります。医療行為は医師や歯科医師、看護師などの免許を持つ方だけに許されている行為で、ヘルパーにはできない禁止事項となっています。 

看護師の資格を持っている方であっても、ヘルパーとしてサービスを行う場合、訪問介護での医療行為は提供できないため注意が必要です。 

ヘルパーの仕事内容やできないことの詳細は、以下もご覧ください。 

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看護師がヘルパーとして働く3つのメリット

ヘルパーの仕事には、看護師とはまた違うやりがいやよろこびがあるでしょう。

看護師がヘルパーに転職するメリットを3つご紹介します。

メリット1.利用者の日常生活を支援できる

ヘルパーには利用者の日常生活を支援する役割があります。居宅に訪問し、入浴や排泄などの身体介護を行う他、掃除や調理など生活に深くかかわる内容も多くあります。

生活全体を通して利用者を支えることができるのは、訪問介護ならではのやりがいと言えるでしょう。 

訪問介護で働くメリットはこちらもご覧ください。 

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メリット2.医療の知識や経験を活かせる

ヘルパーの仕事で医療行為の提供はできませんが、看護師の経験を業務に活かすことはできます。利用者の身体の状態は、日常の些細な変化に表れる場合があります。小さな変化や異常に気付き、ケアマネージャーと連携して対処するのはヘルパーの大事な役割です。

医療の知識や経験が、利用者の健康や安全に大いに役立つでしょう。

メリット3.ダブルライセンス取得で将来性が増す

看護師は、人々の健康維持のために欠かせない専門性の高い仕事です。全国どこに行っても需要の高い、安定した職業の代表です。そこに介護の資格が加われば、時代のニーズにマッチした人材として広く求められる存在になるでしょう。 

介護の資格とのダブルライセンスを実現するには、同じく国家資格である介護福祉士がおすすめです。

看護師+介護福祉士を取得すれば、仕事の将来性はますます高まります。 

看護師がヘルパーとして働く3つのデメリット

次に、看護師がヘルパーに転職するデメリットを見ていきましょう。デメリットの負担が大きいと、ヘルパーの仕事が辛くなる可能性があるため、確認してください。

デメリット1.収入が下がる可能性がある

看護師からヘルパーに転職した場合、給料が少なくなる可能性があります。看護師に比べ、ヘルパーの給与平均は低い水準にあるためです。看護師資格と経験が評価される場合もありますが、看護師として働いたときとは収入が異なる点を念頭に置いた方が良いでしょう。 

令和4年度の調査結果をもとにした看護師と訪問介護ヘルパーの平均給与は以下の通りです。 

  • 看護師(役職者を除く手当などを含めた賃金の月収換算) 
    • 約40万円 
  • 訪問介護ヘルパー(手当てなどを含めた常勤の月給) 
    • 約31万円 

参照: 
厚生労働省|図表1-2-24 看護師の平均賃金(役職者除く)(月収換算) 
厚生労働省|令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 

デメリット2.家事の支援が発生する

看護師がヘルパーに転職した場合、家事のサービスを担う場合があります。生活援助のサービスでは、掃除や調理などの家事を提供します。利用者の安全に配慮しながら訪問時間内で必要な家事を行うため、看護師とは異なるスキルが必要になるでしょう。

家事が苦手な方には、辛く感じる可能性があると言えます。

デメリット3.体力の負担が大きい場合がある

訪問介護は基本的に一人で訪問し、サービスを提供します。そのため、すべての行為を一人で行う必要があるのが特徴です。入浴介助や排泄介助など身体を使う内容も多く、夏場に行うエアコンのない部屋での掃除、炎天下の移動でも体力消耗するため、身体的な負担が大きい場合があります。 

ヘルパーの大変なことについては、こちらもご覧ください。 

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介護福祉士を取得するには

看護師とのダブルライセンスにおすすめの介護の資格は介護福祉士です。介護福祉士の資格について、受験の要件や目指すルートを解説します。

介護福祉士国家試験の受験資格

介護福祉士の国家資格を取得するためには、試験を受けるために必要な受験資格を満たす必要があります。介護福祉士の受験資格を得るルートは以下の3通りです。 

  1. 養成施設ルート 
    • 指定された養成施設を卒業 
  2. 実務経験ルート 
    • 3年以上の実務経験+定められた研修を修了 
  3. 福祉系高校ルート 
    • 定められた福祉系高校等を卒業 

社会人が転職して働く場合の一般的なルートは実務経験ルートです。実務経験ルートは、該当する介護業務への3年以上従事と、定められた研修の修了の両方を満たしていることが要件となっています。研修の種類は、次の2通りから選べます。 

  • 3年以上の実務経験+実務者研修 
  • 3年以上の実務経験+介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修 

上記のうち、介護職員基礎研修はすでに廃止になっている研修です。現在は実務者研修に集約されているため、これから介護福祉士を目指す方は実務者研修を受講してください。実務経験ルートでは、指定された介護などの業務で合計3年以上従事する必要があります。

ヘルパーとして働きながらスキルを身につけ、試験に向けた学習をしていくと良いでしょう。 

受験資格や費用、実務経験に該当する事業などの情報は、以下サイトをご覧ください。 
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

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看護師はヘルパーとして活躍できる!将来に向けて動き出そう

看護師の資格を保有している方は、訪問介護のヘルパーとして働くことが可能です。実務経験を積んで介護福祉士を取得すれば、看護師+介護福祉士のダブルライセンスで将来性の期待も大きいでしょう。注意したいのは、看護師とヘルパーの違いです。

ヘルパーの仕事内容には家事の支援が含まれ、医療行為ができない点が異なります。あなたに合った仕事で将来に向けて動き出しましょう。

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この記事を書いた人

Iharaのアバター Ihara 運営者

15社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計の経験を持つマーケティングアナリスト。大学在籍時に中小企業診断士一次試験突破。ASO・SEOを中心に活動しており、アプリ・インフルエンサーマーケティングにも精通がある。
介護・看護職のための単発バイトメディア「カイテク・メディア」の編集長。
介護・看護職のよりどころ「ケアマガジン」の運営者。

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