「ヘルパーになったけれど、悩みの対処方法がわからない」
「仕事に悩むことがあり、自分はヘルパーに向いているのか不安」
そんな疑問を抱いていませんか?
訪問介護ヘルパーの仕事は、一人ひとりの利用者と丁寧に関われることが魅力の一方で、一人で訪問するために悩みを抱え込みやすい特徴もあります。
この記事を読むことで、悩みの対処方法が理解でき、自信を持って仕事に取り組めるようになるでしょう。
【悩みの特徴】訪問介護ヘルパーは業務や不安を一人で抱えやすい
訪問介護ヘルパーの特徴的な悩みは、業務のつまづきや不安を一人で抱えがちなことです。
訪問介護のサービスは、利用者一人ひとりの自宅にヘルパーが訪問して行います。1回のサービスで訪問するヘルパーは基本的に一人です。そのため、上司や同僚がサービス中の様子を目にする機会が少なく、ヘルパーの悩みに気付きにくい傾向があります。
同様に、ヘルパー自身も他のヘルパーが働く姿をほとんど見ないため、つまづいているのは自分だけだと思いがちです。訪問サービス特有の、利用者と1対1で関わる環境により、困りごとを共有しにくく、一人で悩みがちといえます。
【対処方法】一人で抱え込まずに相談する
訪問介護ヘルパーの悩みは、一人で抱え込むことなく上司や同僚に相談しましょう。他のヘルパーや先輩ヘルパーも、同じようにつまづいた経験を持っていることが多いです。不安を打ち明ければ、有効なアドバイスを得られるでしょう。
事業所には、サービス内容の取り決めや外部との連携を担うサービス提供責任者が在籍しています。特定の利用者に関する悩みの場合は、担当のサービス提供責任者に共有して対処方法を考えてもらうとよいでしょう。場合によっては、担当責任者の同行訪問やサービス内容の見直しも行われます。
訪問介護は、1回のサービス提供にあたるヘルパーは一人でも、実際には複数のヘルパーによるチームケアが行われています。訪問するヘルパーの意見や困りごとを吸い上げて、より良い環境とケア体制を築くのも、サービス提供責任者の業務です。
担当責任者や上司も、ヘルパーの困りごとを改善したいと思っています。悩みやつまづくことがあれば、ぜひ遠慮せずに相談するようにしましょう。
次の項目では、訪問介護を辞めた理由として挙がる代表的な悩みについて解説します。
【悩み7選!】ヘルパーが抱える困りごとの解決策を内容別に解説!
訪問介護ヘルパーが直面する困りごとは、利用者との関係、待遇、そして訪問サービス独自の問題から生じることがあります。
以下で、ヘルパーが抱えがちな7つの悩みとその解決策を順にご紹介します。
悩み1.一人での訪問にプレッシャーを感じる
訪問介護サービスは、ひとりで訪問することが一般的なため、全てを自分だけで対応するプレッシャーを感じやすいのが特徴です。
通常のサービス以外にも、アクシデントやトラブルが起こる場合があります。例えば、訪問先で利用者が転倒して負傷している場合など、予期しない事態に出くわすことも少なくありません。そうした状況での負担を感じるのは自然なことです。
このようなプレッシャーを軽減する方法の一つとして、チームケアの導入が考えられます。アクシデントなどの緊急事態に対する対応は難しいものです。焦らず、事業所に報告し、指示を仰ぎましょう。
また、業務に関する疑問や不明点は、サービス提供責任者や同じ利用者を担当するヘルパーに相談するとよいでしょう。他のヘルパーから効果的な方法やアドバイスを学べることが多いです。
仕事の悩みやトラブルを仲間と共有することで、気持ちが楽になり、チーム全体のケアの質も向上します。
悩み2.業務外の仕事を頼まれる
利用者から業務範囲外の内容を希望されることは、多くのヘルパーが経験する悩みです。サービスの計画に位置付けられていない内容や、介護保険が適用されない家事の依頼は、訪問ヘルパーのあるあるといっても過言ではありません。
介護保険の内容には細かい定めや要件が存在し、必要なサービスは利用者ごとに異なります。これは、介護保険サービスを詳しく知らない人にとっては複雑なシステムとなっています。
利用者もこのシステムを十分に把握していないことが多く、知らずに業務外の内容を依頼する場合が多いのです。そのたびに説明し理解してもらえることは有り難いですが、対応できないことに対して利用者が不満を持ったり、怒るケースもあります。できないことを行うわけにはいきませんので、繰り返しお断りするのは、ヘルパーにとっても辛いものです。
業務外の仕事を頼まれたときは、依頼の背景を理解して対応しましょう。突然断るのではなく、利用者の依頼の経緯を聞くことで、代替案を提示したり、不満を回避する方法を探ることができます。
ヒアリングの結果、後日でも対応可能な内容であれば、一度話を持ち帰り、責任者に報告してください。
悩み3.移動の負担が大きい
訪問介護は利用者の自宅でサービスを提供するもので、1件ごとに移動が必要となります。訪問件数が増えると、移動の回数や距離も増え、体力に自信のないヘルパーや、同じ場所での業務を希望する人にとっては大きな負担となります。
特に、真夏の移動は、車であろうと自転車であろうと体力を大きく消耗しますので、体調管理に注意が必要です。加えて、訪問介護のサービスでは、利用者の状態により予定よりも時間がかかることがあります。次の訪問が遅れるのではないかという心配は、心理的負担となります。
上司と相談し、訪問の範囲と時間を調整してもらうことで、移動の負担を軽減することができます。予定よりも訪問先に遅れそうな場合は、事業所を通じて利用者に連絡するのが一般的な対応となります。
勤務スタイルが自由な登録ヘルパーの場合、希望に応じたスケジュールを作成してもらえるでしょう。
悩み4.利用者の理不尽な発言や行動に困る
訪問介護ヘルパーとして働く中で、利用者の理不尽な言動に困ることは悩みの一つです。さまざまな疾病の症状から、心理的負担を感じるような発言をする利用者もいます。疾病や認知機能の低下による症状であることを理解していても、辛い気持ちになるのは人間らしい反応です。
負担を感じる場合は、上司に相談し、訪問先の変更を検討してもらうと良いでしょう。
しかし、セクハラや暴言などのハラスメントに対しては、毅然とした態度を取ることが必要です。ハラスメントを黙って受け入れると、さらなる問題が生じる恐れがあります。そのような場合は、速やかに上司に報告し、事業所全体での対応を求めることが大切です。
悩み5.他の介護サービスとの違いに対する戸惑い
訪問介護への転職者は、通所サービスや施設などの他の介護サービスからの変更に戸惑うことが多いです。
訪問介護の特徴は、日常生活を支えるサービスであるため、一人ひとりの生活環境に合わせた支援を行います。業務の進め方や時間の使い方、使う道具も利用者によって異なります。複数の利用者が集まる通所サービスとは、支援の目的が異なるため、その違いに戸惑うことも当然です。サービスの違いを理解し、実務を通じて慣れていけば問題はありません。
慣れないうちは、サービス提供責任者や先輩に同行し、業務の流れや寄り添い方、会話のポイントなどを学ぶことが推奨されます。
悩み6.仕事量に比べて収入が低い
収入面での不満はよく耳にする悩みです。仕事量に比べて収入が低いと感じるヘルパーが多い傾向があります。
訪問介護ヘルパーの仕事は、利用者へのサービス提供だけでなく、報告書や記録の作成、スケジュールの調整や訪問時間の調整、月末月初の請求業務など、多岐にわたります。雇用形態によって担当する業務が異なりますが、サービスごとの利用者の記録作成は、すべての形態で必要な事務作業です。
仕事量と収入のバランスに悩む場合、資格取得が解決策の一つとなります。ヘルパーの収入は、保有資格や経験年数により大きく左右されます。多くの事業所で資格手当が設けられているほか、キャリアアップの条件として資格を求められる場合も多いです。そのため、収入をアップさせたい方には、資格取得をおすすめします。
国家資格の介護福祉士を取得すれば、求人や就職先の選択肢が増え、希望条件に合った転職も可能となります。また、効率よく収入を得たい場合は、賃金の割増がある早朝や夜間、深夜の時間帯での勤務もおすすめです。
自身の生活スタイルに合わせて、最適な方法を選ぶようにしましょう。
介護福祉士の国家試験に関する情報は、以下のサイトをご参照ください。
悩み7.残業が多く休みも取りにくい
訪問介護はサービス提供時間が長いことが一般的で、年末年始を含めた休業日が少ない事業所が多いです。サービス件数の多い日は、早出や残業が発生しやすく、祝日や大型連休の休みも取得しにくい傾向があります。そのため、多くのヘルパーが残業の多さや休みの取りにくさに悩んでいます。
早期の届け出により、サービスの日程変更や他のヘルパーとのスケジュール調整が容易となり、休日取得の可能性が高まります。多くのヘルパーは家庭を持つ人もいるため、お互いに融通し合うことが求められます。
事業所内での調整が難しい場合、他の事業所への転職や休暇を取得しやすい登録ヘルパーの活用を検討するのも良い方法です。
ヘルパーの悩みは共有で解消できる!自信をもって働こう
ヘルパーの悩みを一人で抱え込むと、負担が大きくなります。同じ悩みを経験しているヘルパーは多いため、上司や先輩、同僚に相談することで共感や解決策を得ることができるでしょう。
業務を行う場所が違っても、同じチームの仲間として意識すれば、悩みは軽減されるでしょう。
仕事には悩みがつきものですが、解決策を知ることで負担を減らし、スキルアップにつなげることができます。困りごとはチームで解決し、自信を持ってキャリアを築きましょう。