介護職にはさまざまな事業・種類が存在しますが、その中でもグループホームでは「辞めたい」という声をよく耳にします。
一体、グループホームを辞めたいと感じる人々が抱える理由とは何でしょうか?
「グループホームを辞めたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。
【グループホームを辞めたい】リアルな職員の悩みと対処法
入所の条件としては、要支援2以上の介護認定が必要です。多くの施設では、一日の勤務を4交代制で行っています。しかし、多くの職員が「自分には向いていない」と感じるケースがあります。
グループホームでの仕事における悩みや退職を考える理由を状況別に解説し、対処法もお伝えします。
労働条件が悪い
介護職の離職理由の中で多いのが労働条件の悪さです。
多くの施設や事業所で人手不足が問題となっており、その結果、介護職員1人当たりの負担が増大し、精神的・身体的な疲労が重なってしまいます。
特に、グループホームでは1人体制の夜勤が多いため、身体的負担はもちろん、1人夜勤の責任から来る精神的な負担も感じる職員が多いようです。
【対応策】
労働条件は介護施設や事業所により異なります。もし、現在の施設の労働条件が合わないと感じた場合、具体的にどの部分を改善して欲しいのかを施設側に伝えることが大切です。
一般的な不満の表現よりも、具体的な業務内容や給与、勤務状況などの詳細を伝えることで、施設側も問題を理解しやすくなります。
それでも改善が見られない、または十分な対応が得られない場合、転職も検討することをおすすめします。
仕事内容が合わない
グループホームの主な仕事内容は調理、掃除、洗濯といった家事援助です。
利用者が自立した生活を目指しているため、彼らが自分でできることは自分で行ってもらい、職員はそのサポートを担います。そのため、身体的な介護よりも生活援助が主な仕事となり、家事が苦手な方にとってはグループホームでの勤務が合わないこともあるでしょう。
【対応策】
グループホームでは、実際に身体介護を行う機会は少ないです。入浴や排泄の介助も、見守りが中心で、必要な時だけサポートします。
調理、洗濯、掃除といった家事援助が主となるので、身体介護の経験を積みたいと考えている方には向いていないかもしれません。
仕事内容が合わないと感じる場合、他の介護施設や事業所への転職も検討するとよいでしょう。
人間関係での悩み
グループホームでは、利用者様だけでなく、職員や利用者様のご家族、地域の方々との関わりが必要です。
職員の中には相性の良くない人がいたり、利用者様やそのご家族とのコミュニケーションが上手くいかなかったり、地域の方々の理解を得られないことがあり、多くの職員が人間関係の悩みを抱えているようです。
【対処法】
相性の良くない職員がいる場合、シフトを作成している上司に相談しましょう。
職員ごとに利用者様への接し方や考え方は異なります。必ずしも全員と合うわけではありませんが、それをずっと我慢して働くのはストレスが溜まり、職場環境や精神的にも良くありません。1人で悩むことなく、上司に相談することをおすすめします。
利用者様やそのご家族様との相性に悩むこともあります。人間ですので、苦手な人がいるのは当然です。そういった場合は、上司に相談し、他の職員と一緒に対応できるよう手配をしてもらいましょう。他の職員と一緒に対応する中で、徐々に信頼関係を築くことができます。
地域住人の方への対応についても、上司やケアマーネジャーに相談しましょう。
精神的に辛くなった
グループホームに入所されている方の多くは認知症を持っています。
グループホームの目的は、認知症の方が日常生活に近い環境で生活し、日常の動作やリハビリ、レクリエーションを通じて認知症の進行を緩やかにすることです。しかし、認知症の症状は利用者様ごとに異なります。そのため、個別の対応が求められます。
介助者の方々が精神的に疲れて退職するケースも少なくありません。
【対応策】
認知症ケアは非常に難しいと感じられるかもしれません。利用者様の症状やその日の体調によって、ケアの必要が異なります。認知症の方と接する際には、その方の状態に合わせて話し方や接し方を変えていく必要があります。
利用者様の行動や言葉に疲れてしまった場合、一時的な休職や、日勤のみの勤務への変更を施設に相談しましょう。
体を痛めてしまった
介護職には、多くの肉体的な負担が伴います。夜勤や入浴介助、排泄介助により、腰や肩を痛める方が多くいます。
【対処法】
入浴やトイレ介助時に、上半身だけを動かしてしまう人が多いです。忙しい中での作業は理解できますが、それでは体を傷つけてしまいます。
オムツの交換等の際は、腰や肩に負担をかけないような方法で行うよう心がけましょう。腰痛対策としてサポーターの使用や、日々のストレッチ、体操が効果的です。
他の職員や介護の経験者から、負担の少ない介助方法を学ぶことも有効です。
夜勤の体制が辛い
グループホームの夜勤は1人体制の施設が多いです。夜勤を1人で勤務するのは大きな責任が伴い、精神的にも負担がかかります。
勤務時間は長く、多くの施設では午後5時から翌朝9時頃までとなっています。夜間には休憩時間は設けられていますが、利用者の中には夜間に徘徊する方もいるため、介助者の身体的負担も大きくなります。
【対応策】
夜勤が辛く感じられる時は、施設長などに相談し、夜勤を一時的に外してもらうか確認しましょう。
正社員として勤務している場合、夜勤は避けられないこともあるかもしれませんが、相談すれば一時的に夜勤から外してくれることも考えられます。日勤帯での勤務をしばらく経験することで、夜勤帯での勤務にも自信がつくかもしれません。
一人で悩むことなく、まずは相談してみましょう。
認知症の利用者様への対応が不安
認知症の方の特徴として、「直近の出来事」や「最近の出来事」を忘れやすいことが挙げられます。
昔の話を鮮明に覚えているのに、少し前に食べたおかずの名前が出てこない、新しい事柄の記憶が難しくなることが多いです。
同じ話を何度も繰り返す、食事を済ませた後に「食べていない」と訴える、お金の置き場所をずっと探し続ける、毎日顔を合わせているのに「あなたは誰?」と尋ねられることもあります。これは新しい記憶が定着しづらいからです。
それを理解していても、どのように接するのが適切か悩むことがあるでしょう。
【対処法】
認知症の方との対応において、絶対に避けるべきは「否定」することです。例えば、食事を済ませた後で「まだ食べていない」と言われた場合、「先程食べましたよ」と返すと、認知症の方は混乱してしまうかもしれません。
認知症の方が「ご飯を食べたことを忘れている」のではなく「ご飯を食べた記憶がない」のです。「さっき食べましたよ」と言われると、「私に嘘をついているのでは?」と疑念を抱くことがあります。したがって、「食べていない」と言われたときは、「お腹が空いていますか?今は食事の時間ではありませんが、食事の時間になったらお知らせしますね」と柔らかく返答することが望ましいです。
同じ話を何度もされたときも、不機嫌な態度で答えないよう心掛けてください。「先程もその話を聞きましたよ」と答えるのは問題ありませんが、その際の態度には注意が必要です。
認知症の方は新しい事柄を覚えるのは難しいですが、その時の感情や印象はしっかりと覚えていることが多いため、不機嫌な態度をとると、その負の感情だけが残ることがあります。
認知症の方とのコミュニケーションは、穏やかで優しい態度で接することが大切です。
辞める前にしておくべき事
グループホームを辞める前にしておくべき事があります。
- 引継ぎは確実にしておく
- 資格を取得しておく
- 辞める日が決まったら残りの有給休暇を消化する
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
引継ぎは確実に!
どんな仕事でも引継ぎは、確実かつ正確に行う必要があります。特に介護業界では、引継ぎは非常に重要です。
利用者様の状態や好きなこと、嫌いなこと、身体的・精神的な状態などを詳しく引き継ぐ必要があります。いつもの状態を知らないと、体調不良などの症状を早期に察知するのが難しくなるからです。
利用者様のため、そして新しい職員のためにも、引継ぎはしっかりと確実に行いましょう。
資格を取得しておく
介護職は無資格でも働ける施設が多いですが、資格を持つことで給与が上がるだけでなく、転職もしやすくなります。
始めは、取得が比較的容易な資格から勉強することをおすすめします。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士(国家資格)
介護関連の資格は多く存在します。
グループホームでの経験があれば、資格を取得してキャリアアップすると、どの施設でも即戦力として活躍できます。
辞める日が決まったら残りの有給休暇を消化する
グループホームを辞めることが決まった際は、有給休暇の残りを確認してください。有給休暇が残っている場合、退職する日までにその有給を利用することで、他の求人情報の検索や、すでに転職先が決まっている方は次の職場への準備もできます。
有給休暇はあなたの権利ですので、残っている分はきちんと消化しましょう。
グループホーム以外の介護事業の種類7選
介護事業の種類は、グループホームだけではありません。
様々な施設やサービスが存在するため、転職を考えている方は、この情報を求人の参考にしてください。
デイサービス・デイケア
デイサービスとデイケアは、どちらも通所介護サービスです。
デイサービスは小規模から大規模までの規模があり、サービス内容としては送迎、運動、食事、入浴、レクリエーション活動などを主に提供しています。これにより、自宅での自立した生活を送る支援を目指します。デイサービスは日常生活の介助を目的としているため、介護士、看護師、機能訓練指導員、生活相談員で人員体制を整えています。
一方、デイケアは「通所リハビリテーション」とも呼ばれ、主に身体的なリハビリや機能訓練を目的としています。身体機能の回復や維持、認知機能の改善などを目的とし、介護士、看護師、リハビリ専門職、医師で人員体制を整えています。
デイサービス、デイケアの両方とも、同じフロアには常に他の職員がいるため、一人での不安を感じることはありません。何か問題が生じた場合には、すぐに相談できる職員が近くにいます。通所介護であるため、基本的には夜勤は存在しません。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、無資格や未経験の方でも就職しやすい施設です。
施設によっては、働きながらの資格取得支援制度が設けられており、多くの方に人気の職種となっています。勤務体制としては早番、日勤、遅番、夜勤のシフト制が一般的です。施設によりますが、調理は専門の調理職員が担当します。
入所の条件としては、原則65歳以上で、要介護3以上に該当する方が対象となります。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、民間企業が運営する介護施設です。
施設ごとに提供するサービスや介護体制、設備の特色が異なります。利用者一人ひとりのニーズに応じた介護を提供することを心掛けており、清潔でホテルのような環境が多いです。
職員にはホテルスタッフのような接客スキルが求められることもあります。
介護老人保健施設
介護老人保健施設(老健)は、入所者が在宅に復帰することを目的とした施設です。入所を希望する方は、65歳以上で要介護1から5の認定を受けている方、または40歳から64歳で特定疾病による要介護認定を受けている方を対象としています。
入所期間は原則3カ月となっており、入所者の入れ替わりが比較的早い特徴があります。
介護付き高齢者住宅
介護付き高齢者向け住宅は、「サ高住」とも呼ばれることが多いです。要介護度の低い高齢者を対象とした賃貸住宅としての性格を持ち、仕事の内容は家事援助や身体介護となります。
訪問介護との違いは、移動が不要で、同じ建物内の部屋を訪問して生活のサポートを行う点にあります。
訪問介護
訪問介護は、利用者の自宅を訪れて、必要な介助や生活のサポートを提供します。主な業務は生活援助と身体介護ですが、基本的には1人での業務となるため、職場の人間関係に起因するストレスは少ないです。
移動が伴うため、長時間同じ場所にいるのが苦手な方には、訪問介護が向いているかもしれません。
訪問入浴サービス
訪問入浴サービスは、スタッフが自宅に訪問して専用の浴槽を使って入浴をサポートするサービスです。訪問時には3名以上の職員が参加しますが、そのうち1名は必ず看護職員です。
夜間の業務はございませんし、1人だけでのサービス提供もございませんので、安心して利用できます。
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