介護福祉士の国家試験を受験される皆様の中には、当日のスケジュールに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。国家試験は当日が勝負ですが、事前の準備が非常に重要になります。また、当日の流れを把握しておくと、予期せぬ事態が発生しても冷静に対処できます。
介護福祉士国家試験について
介護福祉士国家試験は年に一回おこわれ、例年1月に実施されます。令和6年の第36回試験では、筆記試験が1月28日(日)実技試験が3月3日(日)に実施され、合格発表日は3月25日(月)14時とされています。
申し込み受付期間
国家試験を受験するためには受験申し込み手続きをおこなう必要があります。第36回試験では、令和5年8月9日(水曜日)から9月8日(金曜日)の間でした。
第37回の令和6年度介護福祉士国家試験の受験申し込み手続きに関しての詳細は、令和6年7月上旬ごろに案内予定となっています。
初めて申し込む方は利用できませんが過去の試験で受験資格が確定している方はインターネットによる受験申し込みができます。
試験日時
介護福祉士国家試験は、筆記試験と実技試験の2つの試験がおこなわれます。
令和5年度の第36回試験の日程は以下になります。
- 筆記試験:令和6年1月28日(日曜日)
- 実技試験:令和6年3月3日(日曜日)
筆記試験は1月下旬、実技試験は3月上旬に例年おこなわれます。第37回試験においても同様の日程になると予想されますので公式ホームページを確認しておきましょう。また、試験会場をみてみると筆記試験では、全国35ヵ所の会場でおこなわれますが実技試験では、東京都と大阪府の2会場のみとなっています。
遠方から受験される方は移動手段の確認や宿泊施設の予約など事前の準備についても考えておきましょう。
受験するために必要なもの
受験するためには「受験票」を取得しなければなりません。受験票の取得には
受験資格の要件を満たしたうえで受験手数料18,380円の納付と申し込み受付期間中に申し込みが必要になります。
試験科目
筆記試験の試験科目は以下です。
1.人間の尊厳と自立
2.人間関係とコミュニケーション
3.社会の理解
4.こころとからだのしくみ
5.発達と老化の理解
6.認知症の理解
7.障害の理解
8.医療的ケア
9.介護の基本
10. コミュニケーション技術
11.生活支援技術
12.介護過程
13.総合問題
上記の試験科目のうち次の2つの条件を満たすことで筆記試験を合格できます。
- 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
- 1を満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者。
実務試験の合格基準については以下です。
課題の総得点の60%程度が基準となり、課題の難易度によって補正した点数以上の得点の者を実技試験の合格者とする。
参考:過去の試験問題
合格率
介護福祉士国家試験を受験される方が気になる合格率ですが、比較的高い水準で推移しているようです。第35回介護福祉士国家試験の合格率をみてみると、受験者数は79,151人、合格者数は66,711人、合格率は84.3%でした。
過去5年の推移をみると70%付近で推移していましたが第35回は80%を超え、例年に比べ高い合格率になっています。
引用:第35回介護福祉士国家試験養成施設等別合格率
引用:介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移
介護福祉士国家試験:筆記試験当日の流れ
介護福祉士国家試験の当日の流れは午前と午後の2回に分けられています。
具体的な時間は以下のとおりです。
- 午前の部:10時00分~11時50分(試験時間120分)
- 休憩:11時50分~13時30分
- 午後の部:13時45分~15時35分(試験時間100分)
休憩時間は長めに設定されていますが、トイレが大混雑します。そのため、早めの行動を心掛けましょう。
試験当日の注意点
試験当日は緊張や不安で試験に集中できないことも想定されます。そのため、試験で焦らないために当日の注意点をここではご紹介します。
公共交通機関を利用する
受験票にも案内されていますが混雑や渋滞などの原因になるため、車での来場は遠慮してくださいとなっています。公共交通機関を利用して会場を目指すため、会場までの移動時間を調べておくようにしましょう。
実際に会場まで足を運んでみると当日に道に迷うリスクがなくなるのでオススメです。
欠席の場合は受験手数料は返還されない
やむを得ず試験を欠席する場合に関しては電話連絡などは不要となっています。
昼食・飲み物は各自で用意
試験は午前と午後に分かれています。そのため、昼食や飲み物を用意しておく必要があります。
介護福祉士国家試験:筆記試験後の流れ
筆記試験終了後は、実技試験免除の方と実技試験を受験する方でその後の流れが変わってきます。
筆記試験合格発表
第36回試験においての実技試験免除の方は以下になります。
【実技試験免除の方】
- 筆記試験受験票の受験資格欄が「確定」の方は、3月25日(月曜日)に結果通知を発送します。
- ②筆記試験受験票の受験資格欄が「見込」の方および筆記試験受験票の実技免除欄が「見込」の方は、「改めて提出する書類」欄に印字されている証明書を提出期限までに提出する必要があります。証明書の確認後に結果通知が発送されます。
第36回試験の実技試験を受験される方においては筆記試験の合格者に実技試験受験票が2月16日(金曜日)に発送されます。実技試験の対象とならなかった方にも、2月16日(金曜日)にその旨の通知が発送されます。
合格者は実技試験受験票が送られる
合格者に関しては実技試験受験票が送付されるのですが、受験票が来ない場合は試験センターに電話で問い合わせましょう。第36回試験においては2月21日(水曜日)になっても実技試験受験票等が届かない場合には問い合わせるようにありました。
介護福祉士国家試験:実技試験を受験
令和5年の第35回試験では、実技試験受験者は実技試験の受験票を持って3月3日(日曜日)に東京都か大阪府のどちらかの試験会場で実技試験に臨みます。内容は介護などに関する専門的技能とあり、想定される介助ケースを問われる内容となっています。
実技試験合格発表
実技試験を受験後、実技試験免除の方と同様に3月25日(月曜日)の合格発表を待つ形となります。晴れて合格し、登録申請手続きをおこない免許を受け取ることができます。
申請の際にも登録免許税や登録手数料などが必要になりますのでご確認ください。
介護福祉士国家試験に関するよくある質問
初めて国家試験を受験される方はさまざまなことに疑問をお持ちではないでしょうか?
国家試験に関しての質問をご紹介します。
実技試験の免除の対象者は?
介護福祉士国家試験では、受験生の大半が実技試験の免除になります。免除にならない方は福祉系高校ルート・EPAルートから受験される一部の方になり、その他のルートの受験者は実技試験が免除されます。
詳しく説明すると
- 「特例高校(専攻科を含む)を卒業し、9ヶ月以上介護等の業務に従事した方」
- 「福祉系高校(専攻科を含む)を卒業した方(平成20年度以前の入学者)」
- 「EPA介護福祉士候補者」に該当する方のうち、「介護技術講習」、「介護課程」、「介護課程Ⅲ」、「実務者研修(EPA介護福祉士候補者の方のみ)」
のいずれかを修了していない方です。
平成28年度の改正で変わった点は?
平成28年度(第29回)の介護福祉士国家試験より受験資格がおおきく変更されました。
おもな改正点は以下になります。
- 介護福祉士養成施設卒業者にも国家試験義務化
- 実務経験ルートで受験される方の受験資格が変更(実務経験3年以上にプラスして、6か月450時間の実務者研修を終了している)
試験当日に慌てないよう事前準備をしっかりおこなおう!
介護福祉士の国家試験では、試験勉強をおこなうことこそが合格するために最も大切と考えられています。ですが、試験当日の流れを確認しておかなければ予期せぬ事態が起きてしまうことも考えられます。そうした「もしも」をなくすため、事前の準備を万全にしておくことが合格への鍵となります。
試験で慌てずに最大限自分の力を発揮するためにも当日の流れについて今一度確認しておきましょう。皆さんの合格を心から応援しています。