訪問介護のハラスメント事例|対策の義務化と講ずべき措置を解説

訪問介護におけるハラスメントにお悩みの方もいらっしゃるかと思います。利用者からのハラスメントへの対策は、ヘルパーの離職を防ぐためにも重要な取り組みとなります。

今回では、介護現場におけるハラスメントの種類や具体例、そしてそれに対する必要な対策などをわかりやすく解説いたします。

目次

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訪問介護におけるハラスメントとは?発生シーンと特徴

人材不足が大きな課題となっている介護業界では、介護職員の離職防止のためにもハラスメント対策が重要になっています。ここでは、訪問介護におけるハラスメントのシーンと特徴を紹介します。

利用者や利用者家族によるハラスメント|利用者宅

訪問介護では、訪問先の利用者居宅でハラスメントを受ける場合があります。訪問介護はヘルパーが利用者の居宅に訪問し、1対1でサービス提供するため、ハラスメントの現場にヘルパーが一人で直面するケースが見られます。また、ハラスメントをヘルパー一人で抱えやすく、問題が表面化しにくいのも訪問サービスならではの特徴です。

利用者や利用者家族から受けるハラスメントには、以下のようなものがあります。

  • セクシュアルハラスメント
  • カスタマーハラスメント

カスタマーハラスメントとは、顧客がヘルパーや事業所に対して行う理不尽な言動のことで、不当な言いがかりや法的根拠のない要求、暴力や侮辱による要求などがあります。

参照:厚生労働省|カスタマーハラスメント対策企業マニュアル

職場でおこるハラスメント|事業所内

訪問介護では、他の業界で見られるハラスメントと同様に、職場で起こるハラスメントも存在します。職場の代表的なハラスメントは以下の通りです。

  • セクシュアルハラスメント
  • パワーハラスメント
  • マタニティーハラスメント
  • ハラスメントハラスメント

参照:厚生労働省|リーフレット 厚生労働省|リーフレット

介護ハラスメントの3つの種類

近年、介護サービスの利用者や利用者家族による介護職員へのハラスメントが問題になっています。介護現場におけるハラスメント対策の対象となる介護ハラスメントについて、3つの種類を紹介します。

1.身体的暴力

身体的暴力とは、利用者が身体的な力で介護職員に危害を及ぼす行為のことです。ヘルパーや職員が回避して危害を免れた場合も身体的暴力に含まれます。

身体的暴力には、以下のものがあります。

  • 蹴る、殴る、つねる、引っ掻くなどの行為
  • 介護職員に物を投げつける
  • 介護職員に唾を吐きかける など

2.精神的暴力

精神的暴力とは、言葉や態度で個人の尊厳や介護職員の人格を傷つけたり、おとしめたりする行為を指します。

精神的暴力には、以下のようなものがあります。

  • 大声を発する、怒鳴る
  • 威圧的な態度を繰り返す
  • 特定の職員に対するいやがらせ
  • 「この程度はできて当たり前」と理不尽な要求をする など

3.セクシュアルハラスメント

セクシュアルハラスメントとは、意に添わない性的な誘いかけや好意的態度を要求するなどの、性的ないやがらせ行為を指します。

セクシュアルハラスメントには、以下のようなものがあります。

  • 不必要に介護職員の手や体を触る
  • 介護職員を抱きしめる
  • 介助中に性的な話をする
  • ヘルパーの前でアダルトビデオを見る など

参照:厚生労働省|介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

訪問介護の現場におけるハラスメント事例集

利用者からのハラスメントは、訪問介護の現場でも見られます。ハラスメントの3つの種類について、具体的な例を見ていきましょう。

事例1.利用者からの身体的暴力

利用者による身体的暴力の事例

  • 介助中に手を強く払いのけられたり、つねられたりする
  • 髪を掴まれる、引っ張られる
  • 顔に唾を吐きかけられる

事例2.利用者家族からの精神的暴力

利用者やその家族などによる精神的暴力の事例

  • 「これくらいできて当たり前」と理不尽な要求をされる
  • 「他のヘルパーはもっと速くできる」と時間超過しての無償サービスを要求される
  • 利用者家族から暴言、理解・協力が得られないことで適切なサービス提供ができない

事例3.利用者からのセクハラ

利用者によるセクシュアルハラスメントの事例

  • 訪問介護のサービス提供中に、不必要に腕や背中を触られる
  • ヘルパーの夫婦関係や利用者本人の性的な話を繰り返される
  • 掃除中にアダルトビデオを流し、性的な発言をされる

介護現場でのハラスメント事例については、こちらもご覧ください

厚生労働省|介護現場におけるハラスメント事例集

ハラスメントのグレーゾーン事例

介護の現場では、利用者の疾病や心身の状態によって必要なケアが変わります。そのため、利用者がヘルパーに求める行為も、本当に必要なケアなのか、ハラスメントにあたるのか判断が難しい場合があります。

介護ハラスメントのグレーゾーンの代表的な事例は以下の通りです。

  • 普段本人が行っている陰部への軟膏塗布を頼まれる
  • 入浴介助の際、陰部を入念に洗うように指示される
  • 認知症や精神疾患のある方からの暴言、身体を触る行為

必要なケアなのか、セクシュアルハラスメントに該当するかは、その時の利用者の状態によって異なるでしょう。ただし、明らかに利用者本人が自分でできる範囲であれば、そもそも訪問介護として不適切な行為だと考えられます。また、利用者の身体状態に低下が見られる場合は、ケアマネージャーと連携してケアプランを見直す必要があります。

認知症や精神疾患のある利用者からの暴言では、ハラスメントなのか病気の症状によるものなのかの判断が重要です。ですが、ヘルパーが判断することは困難なため、グレーゾーンとなり悩みを抱えるケースも見られます。

グレーゾーンが発生した場合は、ケアマネージャーや家族と連携し、受診につなげられると良いでしょう。

事業所に必要なハラスメント対策|義務化と取り組み

近年は介護人材の確保の観点から、ハラスメント対策を含む職場環境・労働環境の取り組みが重要視されています。

令和3年度介護報酬改定では、全ての介護サービス事業者に、セクハラ・パワハラなどのハラスメント対策として必要な措置を講じることが義務付けられました。

カスタマーハラスメント防止のために必要な対策も推奨されています。事業所におけるハラスメント対策で特にポイントとなる取り組みを解説します。

事業主の方針の明確化と周知、啓発

ハラスメントによる職場環境の悪化を防止するための措置として、事業主の方針の明確化と周知・啓発があります。具体的な取り組みは以下の通りです。

  • 職場におけるセクハラ・パワハラについて、内容や行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知、啓発する
  • セクハラ・パワハラの行為者について、厳正に対処する旨の方針や対処内容を就業規則等文書に規定し、労働者に周知、啓発する

相談窓口の設置

ハラスメントによる職場環境の悪化を防止するための措置として、相談に応じた対応に必要な体制の整備があります。具体的な取り組みは以下の通りです。

  • 相談窓口を設置し、労働者に周知する
  • 相談窓口担当者を定め、相談内容に応じ適切に対応できる環境を作る

マニュアル整備、研修の実施など

職場におけるハラスメント防止の対策として、以下のような原因解消の取り組みが望ましいとされています

  • ハラスメント予防のためのマニュアル作成と共有
  • ハラスメント発生時の対処方法やルールの作成、研修の実施
  • 管理者などの役割の明確化、適正な業務目標の設定
  • 研修によるコミュニケーションの活性化

厚生労働省のホームページでは、ハラスメント対策や研修に関する以下の資料を見ることができるため、参考にしてください。

  • 介護現場におけるハラスメント対策マニュアル
  • 研修の手引き
  • 介護現場におけるハラスメント事例集

厚生労働省|介護現場におけるハラスメント対策

対象のハラスメント|職場・利用者

ハラスメント対策の対象は以下の通りです。

1.利用者やその家族によるハラスメント

  • セクシュアルハラスメント
  • カスタマーハラスメント

利用者やその家族などによるハラスメントでは、講ずべき措置の対象にセクシュアルハラスメントがあります。また、カスタマーハラスメントについても、方針の明確化などが推奨されています。

2.職場内のハラスメント

  • セクシュアルハラスメント
  • パワーハラスメント

職場においては、男女雇用機会均等法や労働施策総合推進法における事業者の責務を踏まえ、セクハラ・パワハラに対する必要な措置を講じることが義務づけられています。

参照:厚生労働省|介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

ハラスメントで訪問介護が辛いときのおすすめ対処法

介護ハラスメントの対策をしていても、ハラスメントを受けたことで精神的に辛くなるときもあるでしょう。ハラスメントにより訪問介護の継続が負担に感じる場合におすすめの対処法を紹介します。

担当変更や部署異動をする

ハラスメントを受けて辛い場合は、上司に相談して訪問する利用者を変えてもらいましょう。また、サービス提供責任者や管理者などの方は、ハラスメントへの対応が集中して苦痛に感じるときもあるでしょう。そのような場合は、事業所内での担当変更や法人内の部署異動で解消できる可能性があります。

訪問介護は利用者と密室で1対1で関わるため、ハラスメントに一人で直面しやすいのが特徴です。

同じ介護業界でも、通所サービスでは複数のスタッフで業務を行い働く環境も異なるため、1対1で関わる負担が軽減されます。

「カイテク」で他の介護サービスや事業所に転職する

部署異動ができない場合や訪問介護のみの法人の場合は、転職して他の介護サービスで働く方法があります。

介護のバイトアプリ「カイテク」を利用すれば、単発や掛け持ちの仕事も可能なため、自分に合った職場を見つけやすくおすすめです。

カイテクは面接なし・給与即金の介護単発バイトアプリです。

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介護ハラスメントの対策を強化して働きやすい環境を作ろう!

介護現場におけるハラスメントは、介護人材確保の観点から対策が重要視されている問題です。令和3年度介護報酬改定からは、全ての介護サービス事業者にハラスメント対策に必要な取り組みが義務付けられました。

利用者からのハラスメントで悩むヘルパーを出さないために、法人や事業所で予防することが大切です。介護ハラスメントの対策を強化して、働きやすい職場を作りましょう。

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この記事を書いた人

Iharaのアバター Ihara 運営者

15社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計の経験を持つマーケティングアナリスト。大学在籍時に中小企業診断士一次試験突破。ASO・SEOを中心に活動しており、アプリ・インフルエンサーマーケティングにも精通がある。
介護・看護職のための単発バイトメディア「カイテク・メディア」の編集長。
介護・看護職のよりどころ「ケアマガジン」の運営者。

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