介護目標が思いつかない時の決め方5選!人事考課の評価基準も解説

介護職で働いていると、人事考課などで目標の設定を求められる施設も多いでしょう。しかし、「思いつかないから昨年と同じにしよう」「こんなことをして意味があるのだろうか」といった疑問や苦手意識を持つ方も多くいらっしゃることでしょう。なぜ施設は働く職員に目標設定を求めるのでしょうか。

今回では、目標設定が必要な理由と、思いつかない場合の目標設定のポイントをお伝えします。

また、人事考課の評価基準も紹介しますので、目標を決める際に役立てていただければと思います。

目次

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介護における個人目標が必要な理由

介護における目標設定には利用者に焦点を当てたものから施設運営に関することまでさまざまです。しかし、なぜ介護目標を定める必要があるのでしょうか。ここでは、必要な理由について以下で解説します。

キャリアプランを描きやすくなる

目標設定の方法を習得できると、仕事において明確なゴールが描きやすくなります。また、人生そのものに対する目標設定にも活用できるため、今後どのように仕事をおこない、どのような人生を送っていくのかといったライフプランにおいての未来像を描くことができるでしょう。

普段、知らない目的地に進む際、闇雲に行動はしないのではないでしょうか。Googleマップなどの地図やナビゲーションを用いて目的地に向かいます。介護においての目標設定も同じ意味で考えていただければ分かりやすのではないでしょうか。

スキル習得に向けた適切な行動ができる

スキル習得を目指す場合、目標設定をおこなっていると課題や不足しているスキルが分かるといったメリットが存在します。

目標なく行動するとスキル習得への道は険しいものになるため、計画を立てることが必要とされます。

人事考課により昇進や昇給に影響がでるため

目標設定の方法を探す方の中には、人事考課で個人目標の提出を求められたため、必要としている方もいるでしょう。

人事考課では、施設で定めた基準に基づき社員の実績や業務態度、能力を評価します。給料や昇給などにも影響を与えるため、評価基準に沿った目標設定が必要になります。

介護目標が思いつかない時の決め方5選

上記で目標を立てる理由についてお伝えしましたが、介護目標が思いつかず悩まれている方もいるのではないでしょうか。ここでは、目標を決める際のポイントについて解説します。

目標を数値化する

漠然とした目標にするのではなく数字を用いた目標設定は計画の立案や評価をおこないやすいメリットがあります。例えば、目標を定める際に「施設利用者の増加」という目標を掲げた場合、それぞれが思う「利用者の増加」の基準はバラバラであるのではないでしょうか。

そして、「具体的に何をおこなうべきか」についても考え方が分かれるため、望んだ結果を得られない場合も考えられます。一方で「施設利用者を前年比1.1倍にする」という数字が入った目標にすると、介護職員全員が同じ認識を持って働くことができるのです。

実現可能な範囲での目標にする

目標を決める際、どう考えても達成が不可能な非現実的な目標は設定しないようにしましょう。そもそも、不可能な目標に対して、本気で努力しようとする人はいません。

現状の保有スキルを見極め、周囲の環境を考慮したうえで工夫と努力により達成が見込める現実的な範囲の目標にすることが目標設定のミソになります。

目標達成までの期限を設定する

期限設定をおこなうと「締め切り効果」もあって人は行動をおこないます。ご自分を駆り立てるためにも目標を達成する締め切りを決めてみてはいかがでしょうか。広告の父、デイヴィッド・オグルヴィ氏は「人間最大の発明はdeadline(締め切り)」と述べました。

基本的に人間は先延ばしにする癖があるため、期限を決めることは目標に取り組むうえでとても重要になります。

定期的に目標に対しての評価をおこなう

目標を評価し、フィードバックをおこなうことは目標達成理論において、もっとも重要なポイントになります。定期的なフィードバックにより、達成度の進捗確認ができるのはもちろん、定期的な評価は目標を設定するうえで必要不可欠です。

ご自分だけでなく他の方の評価もあれば、目標に対しての成功レベルを評価できます。

施設目標を意識する

介護施設でも具体的な年間目標や月間目標を定める施設が多くあるのをご存じでしょうか。施設目標を参考にすると個人目標を設定する際、施設の意図を汲み取れるため、評価アップにつながる可能性もあります。

施設に連動した目標設定にすることで一体感が生まれますので利用者にとってもメリットを感じるのではないでしょうか。

資質向上のための目標例

介護職員における資質向上のための目標例をキャリア別にご紹介します。ご自分の勤続年数に当てはめて参考にしてみましょう。

新人:1年~3年

経験が浅い新人の場合は、業務や職場環境に慣れることが優先されるでしょう。介護職未経験の方は、基本的な知識やスキル獲得を目指し行動すると今後のキャリアアップにつながります。

【目標の具体例】

  • 3ヶ月以内に利用者の顔と名前を覚え、性格などの個人特徴を掴む
  • 1日に一度は利用者に声掛けをおこない積極的にコミュニケーションを図り、関係構築を目指す
  • ◯月◯日までに実務者研修の受講を終える


【おすすめ資格】 介護系資格の中で最も簡単に取得できる資格が介護職員初任者研修です。介護職の基本的な知識を習得できるため、初めて介護の仕事に関わる場合は取得しておくとよいでしょう。介護職員初任者研修を取得した後は、実践的なスキルと知識を習得できる介護福祉士実務者研修の取得がおすすめです。

中堅:3~10年

中堅になると新人の指導やリーダー業務を任されることもあるでしょう。より責任がある仕事を任されるため、目標や今後のキャリア像を意識した資格を取得してみるとよいでしょう。

【目標の具体例】

  • 褥瘡発生件数を前年比110%に減少させる
  • 2ヶ月に一度は自分でレクリエーションを企画し、実行する
  • 介護福祉士の資格を取得するため、◯月◯日から1日1時間は試験勉強をおこなう時間を設ける


【おすすめ資格】介護福祉士は、介護において唯一の国家資格です。取得には4つのルートが存在しますが実務経験ルートからの受験がおよそ6割と比較的多いようです。また、ケアマネージャー(介護支援専門員)の資格取得も魅力的です。ケアマネージャーは介護サービスを利用する人に対して必要な介護サービスを立案する「ケアプラン」の作成を行っています。

上述した介護福祉士資格を有し、5年の実務経験があると受験できますので取得を検討してみてはいかがでしょうか。

ベテラン:10年~

介護職において10年以上のベテランになると、マネジメント能力も必要になります。業務だけでなく施設運営に関する事項にも関わる機会もあり、施設管理者や施設長などの役職に付く方も存在します。

【目標の具体手例】

  • 介護職員処遇改善加算ⅡよりⅠを取得できるようにキャリアパス要件を満たす取り組みをおこなう
  • ヒヤリハット対応マニュアルを作り、半年以内に事故の件数を20%減らす
  • マネジメントスキルを磨くため外部の研修に1ヶ月に一度参加し、施設の経営状況の把握を進め経費削減に努める

【おすすめ資格】ベテラン介護職は認定介護福祉士の取得がおすすめです。認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格になり、より専門的な知識の習得に役立ちます。また、主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)の資格も検討してみてはいかがでしょうか。ケアマネージャーの上位資格で、ケアマネージャーの育成やケアプランを作成する際のアドバイスを行います。

人事考課での評価基準とは?

介護目標の提出を求められる場面に人事考課があります。人事考課とは、職員の能力や勤務態度に対する評価を行う制度ですが、目標を求め目標の達成度や課程などを評価します。ここでは、人事考課における評価ポイントについて詳しく説明します。

成果評価

成果評価とは、「目標に対してどのくらい結果=成果を出せているか」といった職員の業績について評価をすることです。

【主な項目】

  • 目標数値の達成率
  • 目標課題の達成度
  • 目標達成までのプロセス など

能力評価

能力考課とは、介護職員が持っているスキルに対して評価をおこなうことです。

【主な項目例】

  • 課題形成力
  • 課題遂行力
  • リスク管理能力 など

情意評価

情意考課は、仕事に対する向き合い方や勤務態度に対する評価を指します。

【主な項目例】

  • 規律性
  • 責任感
  • 協調性 など

目標設定が難しい場合は評価者の意見も聞いてみよう!

目標を設定する理由やメリットについて解説しましたが、目標を決めるのはとても難しいですよね。しかし、目標を定めておくと仕事はもちろんプライベートでの人生設計にも役立ちます。目標が決まっておらず、人事考課を控えている方など決め方に悩まれる場合は、評価者に一度相談してみるのもひとつです。

具体的な目標を見つけ、評価する仕組みを構築し、キャリアアップに向けて行動してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

Iharaのアバター Ihara 運営者

15社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計の経験を持つマーケティングアナリスト。大学在籍時に中小企業診断士一次試験突破。ASO・SEOを中心に活動しており、アプリ・インフルエンサーマーケティングにも精通がある。
介護・看護職のための単発バイトメディア「カイテク・メディア」の編集長。
介護・看護職のよりどころ「ケアマガジン」の運営者。

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