【処遇改善加算1と2の違い】知っておくと役立つポイントを紹介!

介護業界は他の業界に比べて給料が低いというイメージをお持ちの方もいるでしょう。しかし、経験や技能のある介護職員に対して、2019年10月に新たに創設された「介護職員等特定処遇改善加算」により、他産業と遜色ない賃金水準を目指して、処遇改善が行われています。

今回では、「介護職員等特定処遇改善加算」のⅠとⅡの違いや算定要件、配分ルールについて詳しく解説します。

給料アップに向けて、ぜひ参考にしてみてください。

目次

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そもそも「介護職員等特定処遇改善加算」とは?

介護職員等特定処遇改善加算とは、介護職員の処遇改善を目的として2019年10月に創設された制度になります。2022年度の介護報酬改訂において介護職員処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算とともに処遇改善の3つの柱のうちの1つとなっている制度です。

参考:介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の概要

特定処遇改善加算導入のきっかけ

介護職員の処遇改善については、2012年に創設された介護職員処遇改善交付金が始まりといわれています。
2012年に介護職員処遇改善加算に引き継がれる形で名称が変更になりました。

2019年10月には、経験・技能のある介護職員に重きをおいたさらなる処遇改善をおこなうために介護職員等特定処遇改善加算がはじまりました。

参考:介護保険最新情報 Vol.1133 令和5年3月1日

2021年度介護報酬改定による特定処遇改善加算の一部見直し

2012年から開始になった処遇改善制度ですが、これまでにも見直しや変更が行われてきましたが、2021年の介護報酬改定においては、以下のような見直しがおこなわれました。

  • 特定処遇改善加算について、平均の賃金改善額の配分ルールにおける、「経験・技能のある介護職員」は「その他の介護職員」の2倍以上とすることから、より高くすることへと見直し。
  • 職場環境等要件の施策内容が見直しとなったことで処遇改善加算、特定処遇改善加算のどちらも施策の実施を強化。
  • 処遇改善加算Ⅳ・Ⅴは経過措置期間を設けたうえで廃止。

参考:令和3年度介護報酬改定の主な事項について
参考:令和3年度介護報酬改定における改定事項について

2022年での処遇改善加算の変更点

上記でもお伝えしましたが、経過措置期間であった処遇改善加算の加算Ⅳ、Ⅴが2022年3月をもって完全に廃止となりました。そのため、加算Ⅳ、Ⅴを算定していたごくわずかの事業所においては、加算Ⅰ〜Ⅲへの加算区分の変更や算定取り消しなどの対応を迫られたようです。

また、新たに新設された「介護職員等ベースアップ等支援加算」によって、対象事業所の介護職員において常勤換算で1人当たり月額平均9,000円の賃上げに相当する額が交付される追加の処遇改善制度が2022年に始まりました。

特定処遇改善加算の算定要件

処遇改善加算制度の歴史についてご紹介しましたが、ここからは特定処遇改善加算について詳しく解説します。

まずは算定要件についてみていきましょう。

処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していること

特定処遇改善加算を算定するためには、処遇改善加算のⅠ~Ⅲのいずれかを届出しておかなければなりません。処遇改善加算のⅠ~Ⅲの算定要件は以下になります。

加算Ⅰ:キャリアパス要件すべてを+職場環境等要件1つ以上
加算Ⅱ:キャリアパス要件1と2+職場環境等要件1つ以上
加算Ⅲ:キャリアパス要件1または2+職場環境等要件1つ以上

3つのキャリアパス要件は以下になります。

  • 職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備すること
  • 資質向上のための計画を策定して研修の実施または研修の機会を確保すること
  • 経験もしくは資格などに応じて昇給する仕組みまたは一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること

職場環境等要件の6つの区分は以下です。

  • 入職促進に向けた取り組み
  • 資質の向上やキャリアアップに向けた支援
  • 両立支援・多様な働き方の推進
  • 腰痛を含む心身の健康管理
  • 生産性向上のための業務改善の取り組み
  • やりがい・働きがいの醸成

特定処遇改善加算でも上記の職場環境等要件は用いるため、ぜひ覚えておきましょう。

職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること

職場環境等要件には、上記で紹介したそれぞれの区分ごとに具体的な内容が定められています。

処遇改善加算 においては、1つ以上取り組んでいる必要があるとされており、算定難易度はそこまで高くありませんが、特定処遇改善加算 においては、区分ごとにそれぞれ1つ以上取り組む必要があるとされており、より職場環境の改善に努めなければならないようです。

ホームページ掲載など見える化を行っていること

特定処遇改善加算の取り組み内容をホームページへ乗せるなど外部から見えるようにする仕組みが求められました。

詳しくお伝えすると、介護サービスの情報公表制度を活用し、 特定加算の取得状況や賃金以外の処遇改善に関する取組内容を記載します。

特定処遇改善加算ⅠとⅡの違い

特定処遇改善加算ⅠとⅡの違いはサービス提供体制強化加算等のⅠ又はⅡの区分の届出しているかどうかです。サービス提供体制強化加算等のⅠ又はⅡの区分の届出をしている場合、特定処遇改善加算Ⅰが算定可能になります。

特定加算Ⅰに該当しない場合にはⅡを算定する仕組みとなっています。また、サービス提供体制強化加算Ⅰ、Ⅱ以外にも特定処遇改善加算(Ⅰ)の算定要件には施設種別により以下の加算を取得しなければなりません。

  • 訪問介護:特定事業所加算ⅠまたはⅡ
  • 特定施設:サービス提供体制強化加算ⅠまたはⅡ+入居継続支援加算
  • 特養:サービス提供体制強化加算ⅠまたはⅡ+日常生活継続支援加算
  • その他:サービス提供体制強化加算Ⅲ(イ)またはⅢ(ロ)

ⅠとⅡでは、施設形態によって加算率に違いがありますので注意しましょう。

特定処遇改善加算の仕組み

介護の処遇改善制度は3つの種類が存在し、複雑化しているため、難しく感じる方も多いでしょう。

ここでは、特定処遇改善加算の仕組みについて解説します。

参考:厚生労働省|2019年度介護報酬改定について~介護職員の更なる処遇改善~
参考:更なる処遇改善(介護職員等特定処遇改善加算)を算定するためには 

見込額の計算方法

特定処遇改善加算を算定するにあたり、点数の計算は必要不可欠になります。特定加算の見込額計算は、 以下のようにサービス種別ごとに設定された加算率に対して介護報酬を乗じる形で計算します。

各事業所の介護報酬(現行の処遇改善加算分を除く)×各サービスの特定加算の加算率=各事業所の新加算による収入

事業所ごとの勤続10年以上の介護福祉士の数に応じて加算されるのではない点には注意が必要です。

単位の決定

特定処遇改善加算を算定するためには、同じ賃上げルールのもと賃上げを行う単位を、法人又は事業所のどちらにするかを決めておかなければなりません。また、 法人全体を単位として取り扱うことも可能となっております。

賃上げルールの決定

特定処遇改善加算は、経験・技能のある介護職員を定義したうえで、事業所内の全職員を次のグループに分けて配分します。

A:経験・技能のある介護職員
B:その他の介護職員
C:介護職員以外の職員

Aの定義には、勤続10年以上の介護福祉士を基本とします。勤続年数は、他の法人や医療機関等での経験も通算可能です。また、事業所の能力評価や等級システムを活用していると、10年以上の勤続年数がなくても業務や技能等を勘案して対象にできるようです。

Bは、勤続10年未満の介護職員や、勤続10年以上であっても介護福祉士などの資格を持たない介護職員が対象となります。

Cには、介護職員以外の職員は具体的に看護師や栄養士、調理師、事務などが当てはまります。

配分方法

配分方法においては、2021年の改正で一部変更となっています。上記のA、B、Cのグループ分けを用いるのですが、「Aは、 Bより高い」、「Cは、 Bの2分の1以下」とします。

賃金改善後の賃金が年額440万円を上回る場合は対象外となります。

440万円の平均賃金基準の判断にあたっては、手当等を含めて判断します。平均賃金額については、CがBより低い場合、平均賃上げ額を基本の1:1/2ではなくBと同等の水準1:1とすることも可能となっています。

1人ひとりの改善額は一律でもメリハリをつけることもできるため、柔軟な対応ができます。

特定処遇改善加算は給料アップが見込める

介護職員等特定処遇改善加算を取得している事業所は令和5年度4月時点で77.0%となっています。算定していない事業所も2割ほどあるため、ご自分の働く職場が算定しているのかを確認しておきましょう。

算定していない場合には、「事業所へ算定を促す」、「算定事業所への転職」など給料アップに向けて行動すると収入増加につながるかもしれません。

処遇改善制度への理解を深めることで今後の介護業界における政府の考えや対策についても分かるため、介護士スキルの向上にもつながります。

参考:介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の請求状況

処遇改善加算の仕組みを理解して算定事業所で働こう!

介護における処遇改善制度は3つの制度で構成されており、複雑で難しく感じてしまうのも無理はありません。しかし、処遇改善加算の仕組みを理解すると、ご自分の職場が処遇改善手当の対象かどうかを見極めることができるようになります。

また、転職する際にも事前に確認することもできるため、制度の理解を深めることは介護士にとって有益となるでしょう。もしも未算定の事業所で働いている方は、満足した介護士ワークを実現するためにも算定事業所への転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

Iharaのアバター Ihara 運営者

15社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計の経験を持つマーケティングアナリスト。大学在籍時に中小企業診断士一次試験突破。ASO・SEOを中心に活動しており、アプリ・インフルエンサーマーケティングにも精通がある。
介護・看護職のための単発バイトメディア「カイテク・メディア」の編集長。
介護・看護職のよりどころ「ケアマガジン」の運営者。

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